手強いRPG



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WIIUのRPG。開発はアトラス。

アトラスがファイアーエムブレムを作ったらどうなるかという企画で開発された結果、現代を舞台に歌って踊れる少年少女たちがスタンド能力を使って戦ったり馴れ合ったりするというほぼペルソナ成分に満ちたゲームになりましたとさ。
いやはや、どこからどうみてもペルソナ。スタンドのキャラとしてクロムやシーダなどが出てくるというだけでFE要素は極めて薄い。たまに例のテーマ音楽を流したりマルスを登場させたりしてこれFEですよーと見せてくる取って付けた感じが何とも言えない。
特に終盤の「あ、そう言えばこれ一応FEって名前が付いてるんだった」と突然思い出したかのようにストーリーに宿敵である暗黒竜を絡めてくる強引さ加減とか堪らなかった。俺はファイアーエムブレムに全く思い入れがないのでそこら辺どうでも良かったが、FEの世界観を期待して買うとガッカリするかも知れない。
しかし一方で、これは紛れもなくFEファン、そしてアトラスファンに向けて作られたゲームでもある。この二つに共通するのは、常に手強いゲームを作ってきた事だ。そしてこのゲーム、実に手強い。

とにかく、ボス戦の殺意が半端じゃない。無限に湧くバーターとか、4体分身とか、HP全回復とか、全体技で体力の3倍を超えるダメージとか、殺す気満々で挑んでくるのが凄く燃える。
楽できるのは最初くらいで2章目からはずっとボスに泣かされ続ける事になる。俺にしては珍しく今回は雑魚と精力的に戦ってレベルを上げに勤しんだが、それでも初見は絶対無理だろこいつと叫ぶところから始まる事になった。

戦闘システムはアトラスお得意の属性を重視した形。今回は弱点を突くと仲間のキャラが次々と連携を決めてくれる。はっきり言って連携のダメージの方が遥かに大きいため今回も弱点を積極的に狙っていくのが基本となる。
仲間によって使える攻撃属性は明確に別れているので、積極的にパーティ入れ替えをする必要があるのが戦略的だし、空気キャラを作らず仲間の存在感を高めていて良い。
なのに主人公だけ入れ替えが出来ないのはかなり不便だったな。3人パーティのうち1人が固定化されているというのは窮屈過ぎる。主人公が特別な存在というのを見せたいのは分かるけどさ。どうせ大した事のないストーリーなんだし、戦闘重視に考えて欲しかった。

もちろん、連携は敵側もバンバン使ってくる。なので油断していると一気に追い込まれるのだが、このゲームは蘇生が非常に簡単で、誰でも使える蘇生アイテムが楽に手に入る上に、蘇生時の回復幅が大きいので、別に死んでも蘇生させれば良いやという感覚で戦う事ができる。正直回復するだけターンの無駄。極端なこと言うと状態異常にかかったら死んで治せば良いやという感じ。それぐらい蘇生の使い勝手が良い。
要するに死ぬの覚悟でバンバン押していこうという姿勢で戦えるわけだ。どんどん畳み掛ける連携システムと相まって非常に積極的な姿勢で爽快感あるし、どんどん仲間が死にながらも立ち向かうというバトル展開を演出していてスリリング。
如何に積極的にダメージを与えていくかが求められるゲームバランスとなっていて、連携システムと綺麗にハマり、ひたすら能動的に攻めていく感じがとても面白かった。

育成も面白い。スキルや連携スキルやパッシブスキルや必殺技などとにかく強化の取っ掛かりが多いし、レベルにしても、キャラのレベル・ステージランクレベル・武器のレベルとあって戦闘が終わる度に何かのレベルが上がるので雑魚と戦うのが無駄に感じない。今回俺が雑魚と積極的に戦ってた理由はこれ。
また、武器は同じものを作ることで周回強化できるのだが、こうすると武器レベルアップのスピードが高速化してもうどんどん強化されるようになる。
もう少しで武器レベルが上がるから雑魚と戦おう→あ、もう少しでキャラのレベルが上がるからあと一戦だけ→あ、また武器(略)
終わらないサイクル。とにかく成長のテンポが良くてやみつきになる。
それだけに、戦闘のテンポがイマイチなのが気になるね。開始前のロードや飛ばせないモーション、延々と続く連携など、長ったらしいたらありゃしない。戦闘を高速化できる仕組みがあれば良いのになと思った。
テンポと言えば、移動も面倒くさかった。基本的に一度行った事のある場所はワープで行けるが、武器の作成や新しいスキルを作る事ができる場所に直接飛べないのが本当にかったるかった。一番使う場所なの分かってるはずなのに嫌がらせかよ。

ちなみに、WIIUのタブレットコントローラーはLINEの着信として使われるという中々にどうでも良い使われ方をしている。
たまにタブコンが振動したかと思えば、仲間や知り合いからメッセージが届いている。この装備が作れるようになりました!というメッセージは便利だが、基本的に他はどうでも良い事しか言わないので段々確認するのが面倒くさくなってくる。タブコン画面の左上にずっと表示され続けている99という着信履歴の数字を見る度に切ない気持ちに囚われて仕方なかった。

一筋縄ではいかないゲームバランス。仲間の重要性を認識させられる戦闘システム。ぽんぽんレベルが上がる育成のテンポ。相変わらずアトラスのゲームは戦闘と育成が連動していて良いサイクルを作ってる。中毒性の高さはかなりのもの。
ストーリーとか冒険とかファイアーエムブレムとかは薄いが、それを補って余りある、硬派で濃い内容だった。
アトラスファンならもちろん買いだし、手強いゲームを求めているFEファンも買うべし。