人と獣の境界。ネタバレ注意。ガスコイン戦

引き続きヤーナム市街。獣の病に侵され理性を失ったものが街に蔓延っているが、中には無事を保っている人間もいる。まぁ大抵そういう人は家に閉じこもっているので、コミュニケーションは扉越しにしか出来ないんだけど。
お、家に赤いランプが灯っている。あれは生き残りの目印。誰かいますかー?
「狩人なんかと関わり合いになりたくないんだ。さっさと消えろ」
「どこか安全な場所知ってるかい?え、知らない?使えないね。このクズ」
「今日は狩りの日よね。こんな危ない日に出歩いてるなんて帰る家がないのかしら」
はぁ、ここヤーナムにはロクな奴がいない。有無を言わさず襲いかかってくるあいつらよりはマシだけど、率先して関係を取りたいとは思えない連中だ。
下水道に辿り着く。巨大ネズミに巨大豚に巨大カラスにゾンビまでいやがる。ヤーナムの病の根はここか。あまり居座りたくない場所だ。梯子があるので昇る。
その先のとある家の前で、大男がじっと立っていた。背後がガラ空きだが大男はその家の扉を睨み付けたまま微動だにしない。未練があるのは分かるが、もうその家に入る資格はないんだよ。その身体は獣の毛で覆われているのだから。君は人間じゃないのだから。
たっぷり力を溜めて哀愁漂う背中を攻撃。跪いたところ更に追撃。内臓攻撃。輸血液をありがとな。
家の近くにまた梯子がある。上がった先に赤いランプの家。一応戸を叩いておくか。
「ママがね、どこか行ってしまったの。狩人さん、私のママを探して」
面倒くさい。けど、幼い子どもの頼みとあれば聞かない訳にはいかないな。
「これ。ママとパパの思い出のオルゴールなの。このオルゴールを聞けば、きっとママは反応してくれるはずよ」
女の子から小さなオルゴールを渡される。ネジ巻き式か。ん、蓋の裏側に古い手紙が貼られてるな。文字は掠れているけど、ヴィオラとガスコインという名前が辛うじて読み取れる。
「あのね。ママはね。とっても真っ赤なブローチを持ってるの。凄く真っ赤で綺麗なんだから」
少女の家の前の門を開けると例の広場に繋がっていた。あー、こういう構造なのか。って、戻ってるじゃん。仕方ない、下水道を進むか。
下水道の最大の関門は豚だ。一体何を養分としているのか知りたくもないがとてつもなく肥大化している。しかも厄介な事にトンネルの中を陣取っているのだからタチが悪い。豚の胴体はトンネルの幅をほぼ埋め尽くしている。
トンネルに足を踏み入れると豚は気付いて突進してきた。急いでUターンし、入り口付近の梯子を駆け上がる。豚が猛スピードでトンネルから飛び出して来たが、既に俺は橋の上。そこから飛び降り兜割り。中々の出血量。そしてこいつ、突進は怖いが接近していれば大した事がない。楽に背面を取れる。体の向きを立て直すのも遅い。豚足は辛いな。楽に背面溜め攻撃が成功し、トドメの内臓攻撃。
トンネルを抜けた先の梯子を上がり、墓場に辿り着く。夥しい数の墓だ。ヤーナムに蔓延る病が如何に恐ろしいものか如実に物語っている。ん、奥に誰かいるな。
「どこもかしこも、獣ばかりだ」
男は右手の斧を何度も獣に叩き付けながら呟く。こいつ、狩人か。
「貴様も、どうせそうなるのだろう?」
男はこちらを振り向いた。顔は包帯で隠されている。何を隠しているのかは明らかだけど。お前の言葉、そのまま返してやるよ。
獣や獣憑きとは散々戦ってきたが、狩人との戦いは初めてだ。流石に理性のある者の動きは違う。今まで相手してきたのは死を考えない奴らばかりで攻撃の回避は頭にない動きしかしてこなかったが、こいつは積極的に攻撃を回避してくる。死を恐れるというのも、また力か。
攻撃も小賢しい。左手の散弾銃による牽制が非常に厄介。出が早い為中々見切りがつかない。くそ、とりあえず回復を・・・散弾銃で止められる。そのまま斧で撃沈。
「最後まで人のフリか・・・だが、堪らぬ狩りだったぞ」
夢から醒める。動きが速い。軽いフットワークで翻弄してくる。男が斧を地面に擦らしながら接近。これは当たるとヤバそうだ。分かってる。逃げない。踏み込むぞ。
斧の攻撃をフロントステップで回避。そのまま背後に回り込む。攻撃。攻撃。男も反撃。気にしない。俺にはリゲインがある。敵の返り血は糧となる。
が、またも散弾銃。攻撃が止められる。ヤバい、リゲインが切れた。とりあえず間合いを取って回復を・・・あ、墓に引っかかった。
夢から醒める。目に目を。銃には銃を。斧が振り下ろされる直前、銃を放つ。男は跪く。踏み込んで、内臓攻撃。
相手はステップで間合いを取って武器をトランスフォーム。斧の柄が飛躍的に伸びた。リーチは長くなったがこれは好都合だ。あいつは両手で斧を支えている。悩みの種だった散弾銃をしまってくれた。
男の動きが変わった。さっきまでは攻めと回避のバランスが半々だったが、武器をトランスフォームしてからは攻めの傾向が強い。どんどん踏み込んでくる。良いじゃないか。それでこそ狩人だ。
俺も負けじと踏み込む。あ、相手は力を溜めている。踏み込んでは駄目な時だった。そのまま回転斬りの餌食に。
夢から醒める。あの回転斬りが邪魔だな。確実に距離を取らないといけない。間合いを取らされる時点でリーチで負けてるこっちにとっては不利。
やはり、狙い目は銃カウンターか。男は力を溜めている。カウンターのタイミングは溜めが解放された一瞬。しっかり狙えよ・・・よし、今だ。銃声虚しく、何事も無かったかのように回転斬りは続けられた。
夢から醒める。目には目を。トランスフォームにはトランスフォームを。溜め攻撃には溜め攻撃を。
鉈をトランスフォーム。こちらもリーチを伸ばす。動きが素早いこいつに振りが遅いこの形態で挑むのは不利だが、狙いは別にある。
男が力を溜め始めた。それを待っていた。充分間合いを取り、こちらも力を溜める。男の回転斬り。ギリギリで届かず。しかも、こっちの射程に入った。溜め攻撃。怯んだ。更に押す。反撃してくるが、それはリゲインの範疇だ。踏み込む。踏み込む。踏み込む。
また溜めている。間合いを取って・・・いや、逃げるな。銃撃。今度は決まった。男は跪く。踏み込んで、内臓攻撃。ペースは完全に俺にある。
男が呻き出す。次の瞬間、彼は巨大な獣と化していた。流れは一変した。
夢から醒める。もはや男に守りの姿勢は一切見られない。ただ野性に身を任せている。倒れたあとも容赦のない追撃。なす術がない。
夢から醒める。踏み込んでいる余裕が全くない。完全に防戦一方。獣になると手が付けられん。とりあえず墓を壁にして・・・獣の拳はあっさり墓を突破。そのまま潰される。
夢から醒める。動きが速い。一撃が重い。息切れも少ない。これが獣の力か。リゲインはもはや全く追い付かない。
夢から醒める。駄目だ。踏み込めない。やはり獣と人間の差は歴然だ。
狩人の戦いとは、攻めて、勝機を得る事だと思っていた。ある意味でそれは、闘争本能という名の野性味に身を委ねるということだ。だが、男は獣の身体を手に入れた。力のままに攻めの姿勢を貫き、野性味を極限まで発散させている。あいつは獣になって、真の意味で狩人になったんだ。突き詰められた狩人と半端な狩人の俺では元より勝負にならない。
しかしそれは言い換えれば身体能力の差次第と言うことでもある。あいつよりも高い能力があれば俺も恐れず前に踏み込む事が出来る。獣の身体を上回るのは流石に厳しいが、それを埋める術はある。血だ。血が狩人を強くする。
さぁて、狩りの時間といこう。お前ら、血をよこせ。ザクザクザクザク。一心不乱に雑魚共を斬っていく。お前らは俺の血だ。獣憑きも、大男も、豚も、カラスも、ゾンビも、みーんな俺の血となるんだ。ザクザクザクザクザクザク。これぐらいにしとくか?いや、まだだ。まだ、血がいる。ザクザクザクザクザクザクザクザク。人間が、獣に勝つには血が必要なんだ。ザクザクザクザクザクザクザクザク。
狩人の夢へ。人形の元へ行き、血を能力に変換して貰う。身体能力は飛躍的に向上した。特にスタミナは必須だ。一歩でも前へ踏み込むんだ。
夢から醒める。多少の血で差が埋まる相手ではなかった。間合いをあっさり詰められ、こちらの攻撃には怯まず、逆に相手の殴り一発で吹っ飛び、そのまま押し潰される。
夢から醒める。まだ血が足りない。ザクザクザクザクザクザク。
夢から醒める。倒れたあとの追撃がどうしても無理。
夢から醒める。そうか、血が足りないんだ。ザクザクザクザクザクザク。
夢から醒める。獣の動きは止まらない。そのまま押し切られる。
夢から醒める。まだ、まだ血が足りないのか。ザクザクザクザクザクザクザクザク。
夢から醒める。どうにもならない。強すぎる。
夢から醒める。血・・・血・・・ザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザク。
夢から醒める。無理。ただ死ぬだけ。
夢から醒める。血を求めてヤーナムを徘徊していると、あの時の女の子の家が目に入った。そう言えばあの子から貰ったオルゴール、まだ動くんだっけ。ネジを巻く。中々良い音色だ。心が落ち着く。そうか。ようやく気が付いた。獣は獣で、人間は人間なんだ。それはどうあっても越えられない差なんだ。それを省みずにただ踏み込んでも、勝てるはずがない。逃げずに踏み込むことは確かに大切だ。だが、自分が人間で、相手が獣だと言う事を、決して忘れてはいけない。そうだ。人と獣は違うんだ。
そう言えばこのオルゴール、気になる名前があったけ。
夢から醒める。獣化した男はいつものように暴れ回っている。なぁ、このオルゴール、見覚えあるか?あんたの娘がくれたよ、ガスコイン。
オルゴールの音が響くと、獣は頭を抱えて呻き始めた。ガスコインだった頃の彼が、人間性が、獣の動きを止めた。動きが止まった獣を斬りまくる。暫くすると獣は我に帰ったが、時既に遅し。溜め攻撃でフィニッシュ。獣の身体能力は確かに人間を上回る。でも、人間性は、獣を超える力があるんだ。
墓場にある建物の屋根に、女の子が言っていた真っ赤なブローチはあった。女性の死体と共に。
ブローチは女の子に渡さず、結晶にして武器に装着している。実に有効活用じゃないか。決して結晶にしたかったのが先にあったわけではなく、女の子がショックを受けて人生に絶望するのではないかと危惧しての事さ。それは優しさで、それが人間性というものだろ?だって俺は狩人であり、また人間なのだから。
今日はここまで。

引き続きヤーナム市街。獣の病に侵され理性を失ったものが街に蔓延っているが、中には無事を保っている人間もいる。まぁ大抵そういう人は家に閉じこもっているので、コミュニケーションは扉越しにしか出来ないんだけど。
お、家に赤いランプが灯っている。あれは生き残りの目印。誰かいますかー?
「狩人なんかと関わり合いになりたくないんだ。さっさと消えろ」
「どこか安全な場所知ってるかい?え、知らない?使えないね。このクズ」
「今日は狩りの日よね。こんな危ない日に出歩いてるなんて帰る家がないのかしら」
はぁ、ここヤーナムにはロクな奴がいない。有無を言わさず襲いかかってくるあいつらよりはマシだけど、率先して関係を取りたいとは思えない連中だ。
下水道に辿り着く。巨大ネズミに巨大豚に巨大カラスにゾンビまでいやがる。ヤーナムの病の根はここか。あまり居座りたくない場所だ。梯子があるので昇る。
その先のとある家の前で、大男がじっと立っていた。背後がガラ空きだが大男はその家の扉を睨み付けたまま微動だにしない。未練があるのは分かるが、もうその家に入る資格はないんだよ。その身体は獣の毛で覆われているのだから。君は人間じゃないのだから。
たっぷり力を溜めて哀愁漂う背中を攻撃。跪いたところ更に追撃。内臓攻撃。輸血液をありがとな。
家の近くにまた梯子がある。上がった先に赤いランプの家。一応戸を叩いておくか。
「ママがね、どこか行ってしまったの。狩人さん、私のママを探して」
面倒くさい。けど、幼い子どもの頼みとあれば聞かない訳にはいかないな。
「これ。ママとパパの思い出のオルゴールなの。このオルゴールを聞けば、きっとママは反応してくれるはずよ」
女の子から小さなオルゴールを渡される。ネジ巻き式か。ん、蓋の裏側に古い手紙が貼られてるな。文字は掠れているけど、ヴィオラとガスコインという名前が辛うじて読み取れる。
「あのね。ママはね。とっても真っ赤なブローチを持ってるの。凄く真っ赤で綺麗なんだから」
少女の家の前の門を開けると例の広場に繋がっていた。あー、こういう構造なのか。って、戻ってるじゃん。仕方ない、下水道を進むか。
下水道の最大の関門は豚だ。一体何を養分としているのか知りたくもないがとてつもなく肥大化している。しかも厄介な事にトンネルの中を陣取っているのだからタチが悪い。豚の胴体はトンネルの幅をほぼ埋め尽くしている。
トンネルに足を踏み入れると豚は気付いて突進してきた。急いでUターンし、入り口付近の梯子を駆け上がる。豚が猛スピードでトンネルから飛び出して来たが、既に俺は橋の上。そこから飛び降り兜割り。中々の出血量。そしてこいつ、突進は怖いが接近していれば大した事がない。楽に背面を取れる。体の向きを立て直すのも遅い。豚足は辛いな。楽に背面溜め攻撃が成功し、トドメの内臓攻撃。
トンネルを抜けた先の梯子を上がり、墓場に辿り着く。夥しい数の墓だ。ヤーナムに蔓延る病が如何に恐ろしいものか如実に物語っている。ん、奥に誰かいるな。
「どこもかしこも、獣ばかりだ」
男は右手の斧を何度も獣に叩き付けながら呟く。こいつ、狩人か。
「貴様も、どうせそうなるのだろう?」
男はこちらを振り向いた。顔は包帯で隠されている。何を隠しているのかは明らかだけど。お前の言葉、そのまま返してやるよ。
獣や獣憑きとは散々戦ってきたが、狩人との戦いは初めてだ。流石に理性のある者の動きは違う。今まで相手してきたのは死を考えない奴らばかりで攻撃の回避は頭にない動きしかしてこなかったが、こいつは積極的に攻撃を回避してくる。死を恐れるというのも、また力か。
攻撃も小賢しい。左手の散弾銃による牽制が非常に厄介。出が早い為中々見切りがつかない。くそ、とりあえず回復を・・・散弾銃で止められる。そのまま斧で撃沈。
「最後まで人のフリか・・・だが、堪らぬ狩りだったぞ」
夢から醒める。動きが速い。軽いフットワークで翻弄してくる。男が斧を地面に擦らしながら接近。これは当たるとヤバそうだ。分かってる。逃げない。踏み込むぞ。
斧の攻撃をフロントステップで回避。そのまま背後に回り込む。攻撃。攻撃。男も反撃。気にしない。俺にはリゲインがある。敵の返り血は糧となる。
が、またも散弾銃。攻撃が止められる。ヤバい、リゲインが切れた。とりあえず間合いを取って回復を・・・あ、墓に引っかかった。
夢から醒める。目に目を。銃には銃を。斧が振り下ろされる直前、銃を放つ。男は跪く。踏み込んで、内臓攻撃。
相手はステップで間合いを取って武器をトランスフォーム。斧の柄が飛躍的に伸びた。リーチは長くなったがこれは好都合だ。あいつは両手で斧を支えている。悩みの種だった散弾銃をしまってくれた。
男の動きが変わった。さっきまでは攻めと回避のバランスが半々だったが、武器をトランスフォームしてからは攻めの傾向が強い。どんどん踏み込んでくる。良いじゃないか。それでこそ狩人だ。
俺も負けじと踏み込む。あ、相手は力を溜めている。踏み込んでは駄目な時だった。そのまま回転斬りの餌食に。
夢から醒める。あの回転斬りが邪魔だな。確実に距離を取らないといけない。間合いを取らされる時点でリーチで負けてるこっちにとっては不利。
やはり、狙い目は銃カウンターか。男は力を溜めている。カウンターのタイミングは溜めが解放された一瞬。しっかり狙えよ・・・よし、今だ。銃声虚しく、何事も無かったかのように回転斬りは続けられた。
夢から醒める。目には目を。トランスフォームにはトランスフォームを。溜め攻撃には溜め攻撃を。
鉈をトランスフォーム。こちらもリーチを伸ばす。動きが素早いこいつに振りが遅いこの形態で挑むのは不利だが、狙いは別にある。
男が力を溜め始めた。それを待っていた。充分間合いを取り、こちらも力を溜める。男の回転斬り。ギリギリで届かず。しかも、こっちの射程に入った。溜め攻撃。怯んだ。更に押す。反撃してくるが、それはリゲインの範疇だ。踏み込む。踏み込む。踏み込む。
また溜めている。間合いを取って・・・いや、逃げるな。銃撃。今度は決まった。男は跪く。踏み込んで、内臓攻撃。ペースは完全に俺にある。
男が呻き出す。次の瞬間、彼は巨大な獣と化していた。流れは一変した。
夢から醒める。もはや男に守りの姿勢は一切見られない。ただ野性に身を任せている。倒れたあとも容赦のない追撃。なす術がない。
夢から醒める。踏み込んでいる余裕が全くない。完全に防戦一方。獣になると手が付けられん。とりあえず墓を壁にして・・・獣の拳はあっさり墓を突破。そのまま潰される。
夢から醒める。動きが速い。一撃が重い。息切れも少ない。これが獣の力か。リゲインはもはや全く追い付かない。
夢から醒める。駄目だ。踏み込めない。やはり獣と人間の差は歴然だ。
狩人の戦いとは、攻めて、勝機を得る事だと思っていた。ある意味でそれは、闘争本能という名の野性味に身を委ねるということだ。だが、男は獣の身体を手に入れた。力のままに攻めの姿勢を貫き、野性味を極限まで発散させている。あいつは獣になって、真の意味で狩人になったんだ。突き詰められた狩人と半端な狩人の俺では元より勝負にならない。
しかしそれは言い換えれば身体能力の差次第と言うことでもある。あいつよりも高い能力があれば俺も恐れず前に踏み込む事が出来る。獣の身体を上回るのは流石に厳しいが、それを埋める術はある。血だ。血が狩人を強くする。
さぁて、狩りの時間といこう。お前ら、血をよこせ。ザクザクザクザク。一心不乱に雑魚共を斬っていく。お前らは俺の血だ。獣憑きも、大男も、豚も、カラスも、ゾンビも、みーんな俺の血となるんだ。ザクザクザクザクザクザク。これぐらいにしとくか?いや、まだだ。まだ、血がいる。ザクザクザクザクザクザクザクザク。人間が、獣に勝つには血が必要なんだ。ザクザクザクザクザクザクザクザク。
狩人の夢へ。人形の元へ行き、血を能力に変換して貰う。身体能力は飛躍的に向上した。特にスタミナは必須だ。一歩でも前へ踏み込むんだ。
夢から醒める。多少の血で差が埋まる相手ではなかった。間合いをあっさり詰められ、こちらの攻撃には怯まず、逆に相手の殴り一発で吹っ飛び、そのまま押し潰される。
夢から醒める。まだ血が足りない。ザクザクザクザクザクザク。
夢から醒める。倒れたあとの追撃がどうしても無理。
夢から醒める。そうか、血が足りないんだ。ザクザクザクザクザクザク。
夢から醒める。獣の動きは止まらない。そのまま押し切られる。
夢から醒める。まだ、まだ血が足りないのか。ザクザクザクザクザクザクザクザク。
夢から醒める。どうにもならない。強すぎる。
夢から醒める。血・・・血・・・ザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザク。
夢から醒める。無理。ただ死ぬだけ。
夢から醒める。血を求めてヤーナムを徘徊していると、あの時の女の子の家が目に入った。そう言えばあの子から貰ったオルゴール、まだ動くんだっけ。ネジを巻く。中々良い音色だ。心が落ち着く。そうか。ようやく気が付いた。獣は獣で、人間は人間なんだ。それはどうあっても越えられない差なんだ。それを省みずにただ踏み込んでも、勝てるはずがない。逃げずに踏み込むことは確かに大切だ。だが、自分が人間で、相手が獣だと言う事を、決して忘れてはいけない。そうだ。人と獣は違うんだ。
そう言えばこのオルゴール、気になる名前があったけ。
夢から醒める。獣化した男はいつものように暴れ回っている。なぁ、このオルゴール、見覚えあるか?あんたの娘がくれたよ、ガスコイン。
オルゴールの音が響くと、獣は頭を抱えて呻き始めた。ガスコインだった頃の彼が、人間性が、獣の動きを止めた。動きが止まった獣を斬りまくる。暫くすると獣は我に帰ったが、時既に遅し。溜め攻撃でフィニッシュ。獣の身体能力は確かに人間を上回る。でも、人間性は、獣を超える力があるんだ。
墓場にある建物の屋根に、女の子が言っていた真っ赤なブローチはあった。女性の死体と共に。
ブローチは女の子に渡さず、結晶にして武器に装着している。実に有効活用じゃないか。決して結晶にしたかったのが先にあったわけではなく、女の子がショックを受けて人生に絶望するのではないかと危惧しての事さ。それは優しさで、それが人間性というものだろ?だって俺は狩人であり、また人間なのだから。
今日はここまで。

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