どっち付かず




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スイッチのアドベンチャーゲーム。開発はトゥーキョーゲームズ。

全編実写のムービーで構成されているアドベンチャーゲーム。本郷奏多、栗山千明、佐藤二郎など、俺でも知ってる割と有名な俳優が出演してる。
それより重要なのがダンガンロンパシリーズを作り上げた小高氏がこのゲームを制作していること。買った理由の99%はそれ。

かなり映画を意識した作りでそれは実写というだけでなく流れが途切れない自然なストーリー構成にも現れていて、例えばゲームらしく随所に選択肢が挟まってその選択によってはあっさり死んでゲームオーバーとなり、普通のアドベンチャーゲームならフローチャートからそのシーンをやり直して選択肢を選び直すというインターバルが挟まるけど、このゲームはその手続きをせずにゲームオーバーになったあとも死んだという事実を踏まえたうえでストーリーが続いていく。
ADVでありながらゲームオーバーという地雷が大量に仕込まれている、というのは、かまいたちの夜や428や街といった、小高氏がかつて所属していたスパイクチュンソフトの得意とするやり方で、そのエッセンスが多分に組み込まれているわけだが、そういうゲームオーバーや選択肢といったゲームらしいインタラクティブな要素を組み込みながら、映画のような流れが途切れないテンポを実現していて、スムーズにゲームが進んでいくのは小気味良かった。

また、仮想現実を舞台にすることで死を繰り返しながら前に進む、という流れに説得力を作っている。仮想現実が舞台だからこそ自然な流れでストーリーをループさせることが出来ている。
と同時に、仮想現実という設定にすることで、プレイヤーにあなたが主人公なんですよというロールプレイ味を与えていた。
どうしてもムービーが主体なのでプレイヤーは傍観者になりがちだけど、仮想現実の世界=デスカムトゥルーという位置付けにすることで、プレイヤーが主人公なんですよというゲームらしい臨場感がある。
だからこそ、最後の選択肢を選ぶとデータが初期化されるという人生は一度きりと言わんばかりの試みにもこのゲームの味だなと納得できるものになっていた。

そういうわけで、映画のテンポと実写のリアル感を押し出しながら、ゲームらしいインタラクティブ性と一体感を組み込もうとしていて、そこの工夫は感じる仕上がりだった。
でも、面白くはなかった。ストーリーとシステムが普通すぎるから。
そこはかとなくダンガンロンパっぽい風味は感じるが、あのゲームの外連味や癖や生臭さや分かりにくくて面倒くさいものを全部取り除いて爽やかに仕上げたのが本作。
映画とゲームの融合、というコンセプトを否定するわけじゃないけど、結局どっち付かずだなぁという感じ。
実写とゲームの組み合わせというのはたまにあるが、良い思い出は少ない。
ゲームだから出来ること。映画だから出来ること。そこに振り絞って作った方が結局のところ面白いものが出来るんじゃないかなぁと思いました。