アウトローVS怪異




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PS4とPSVITAのアドベンチャーゲーム。開発はエクスペリエンス。

死印に続くエクスペリエンス式のホラーゲーム。
同社が得意とするダンジョンRPGのシステムを取り入れており、基本的にはテキストを読んでストーリーが進むが、随所に一人称視点での移動や探索が挟まる。
それがホラーの演出に活かされてるわけではないが、ゲームしてる感は出ていた。ゲームしてる感とはどういう事かと言うと、受け身ではなく、自分で動かしているという能動性があった。だからストーリーにそれなりの臨場感を作っていて、入り込みやすい。
敵とのバトルが求められることも何回かあり、これがかなり集中して話を聞いてないと正解が分からないので面倒だったが、それも含めてゲームしてる感があった。

と、ここまでは死印と同じだが、ストーリーは全く違う。
今作の主人公はヤクザ相手にも怯まない不良少年。仲間もヤバいアウトロー達ばかりで、そんな怖いもの知らずの人間達が怪異に立ち向かうという世界観が面白い。
特に主人公の鈍感っぷりが凄い。彼の部屋で怪異が嫌がらせをしまくるのだが、全く動じないのが男らしすぎる。
毎晩おたけび声が聞こえるという邸宅の調査をしたあと、自分の部屋に戻ると深夜に電話が鳴ったので取ってみたら「見ないでえええええええ!!!!」と女のおたけびが響き渡り、それに対する主人公の反応が、「イタズラ電話かこれ?」って、そんなわけねーだろw
ほとんどの事象に対して主人公は反応が薄いのでホラーとしてあまり恐怖感がないが、基本的にホラーは無力な人間が圧倒的な怪異の前に弱さだけを見せて蹂躙されるパターンが多いので新鮮。
堂々と怪異に立ち向かい、そして時には無慈悲な制裁を食らわす主人公がとても頼もしい。
かと言って怪異陣営も黙ってはおらず、選択を間違えると容赦なく仲間を殺してくるから油断できない。俺は初見で3人死んだ。その結果によってストーリーの結末も大きく変わる。
まさに命がけで戦っているという感じがあり、物語に緊張感があった。

しかし、ゲームとしては面倒だったな。周回が求められるのに操作する部分が多くて時間が取られるのが辛い。やってることは同じことの繰り返しだから尚更。
ミスるとゲームオーバーになる選択肢がやたらと多いが、ほとんど運任せみたいな問いも少なくないし、釈然としなかった。
あと、全く怖くないのはホラーゲームとしてどうかと思うけど、主人公も全然怖くなさそうだったし、これで良いのかな。