最高のエンディング





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終わった。154話。全部。いやー、信じられん。1クールですら集中力が続かない事が多いのに。
こんな長丁場のアニメを見終えたのいつ以来だろ。クレヨンしんちゃんとか、名探偵コナンみたいな昔から日常的に見ているアニメを除けば最長記録かも知れない。
最初はデュエルリンクスの肴になれば良いやと思いながら見始めたが、終わってみれば俺の心に何かを残してくれる、最高に胸に響いたアニメだった。
確かに終盤は、ありきたりな思想のラスボスに、ありきたりな主人公の主張に、ありきたりなストーリー展開と、ありきたり過ぎて魅力が弱く、第一部に比べるとかなり話の勢いは落ちていたが、締めくくり方が素晴らしくて心の底から最後まで見てよかったと思えた。

最後。これから先の未来をどう歩むべきか悩む仲間たち。彼らが見守る中で行われた主人公とライバルの因縁のデュエル。それは自分が進むべき道を見つけるための戦いでもあった。
ライバルが召喚したエースモンスターに窮地に追い詰められた主人公は、低レベルのモンスターを一気に並べる。
この瞬間、俺は胸が高まった。予感がしたから。あれが来ると。この場面で出すべき、いや絶対に出さなきゃいけないモンスターが存在する。
ほらやっぱりきた!ジャンク!!ウォーリアー!!!常に勝利をもたらしてきたスターダストドラゴンでも、シューティングスタードラゴンでもなく、序盤のエースモンスターであるジャンクウォーリアーを最後のこの場面で主人公は召喚した。この演出は熱い!熱すぎる!
ジャンクウォーリアーは、スラム街で育った主人公が捨てられたカードを拾って作ったデッキの象徴であり、この世に役に立たないものなんて存在しない、みんな何かしらの役割があって、絆で結び付けばそれは大きな力になる、という主人公の信念を表した魂のカードでもある。
低レベルのモンスターと結び付き、ジャンクウォーリアーは己の力にすることができる。仲間の分まで力を込めたジャンクウォーリアーの攻撃により、主人公は勝利した。
その最後の一撃には、街に残るかどうかで悩む仲間たちに向けて、絆があれば離れ離れでも関係ない、いつでも自分たちは繋がっている、というメッセージが込められていたのは言うまでもない。
そして皆は自分たちの道を歩み始める。最後に仲間が一堂揃ってそれぞれの愛用機に跨り、街を出るために橋で滑走するのだが、街に残る決心をした主人公は途中でUターンし、みんなとハイタッチ。振り返らず、止まらず、仲間たちはそれぞれ違う道に別れ、走り去っていく。この終わり方も痺れた。

はぁ、感動したよ。本当に。絆なんて使い古された陳腐なテーマだし、正直現実世界ではあまり通用しない綺麗事だと思うが、このアニメは本当にずっと、154話もかけてずっとずっとずっと絆の大切さを訴えていて、それを最後にこういう形で見せつけられたら、そりゃもうお前たちの絆は本物だよと言うしかない。

それにしても、なんだろう、この宙ぶらりんな気持ちは。
今は手持ち無沙汰感が凄い。本当に終わっちゃったんだ、もう彼らの活躍を見ることが出来ないんだ、という虚無感でいっぱい。基本的にラストレムナントをプレイしながら見てたけど、終わった今は逆に他の何も手がつかなくて、意味もなく5dsのお気に入りの場面を繰り返し見てたりする。
最初は、バイクに乗りながらデュエルってアホだろとか、主人公いくらなんでもお人好し過ぎだろとか、馬鹿にしてたこともあったけど、いつのまにか俺はこの世界、キャラクター達が大好きになっていた。
アニメやドラマは長いから集中力が〜とか言ってる俺は反省した方が良い。付き合い続けていれば、こうした心を揺さぶる出会いもあるんだから。
3ヶ月以上かかったが、途中でもう良いやと放置していた時期もあったが、本当に最後まで見て良かった。良い作品は、最後まで見届けた人に絶対応えてくれるんだ。
10年も前のアニメタイトルの記事で見てくれる人がいるのか謎だし、いつもなら日記という形でまとめるところだけど、俺にとても良い思いをさせてくれたので敬意を込めて。