最高のサバイバル体験



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PS4とXboxoneのアクションゲーム。開発はタンゴゲームワークス。

なんか凄い満喫した。ハードに相当する難易度をクリアーしたし、サブクエストも全部解いた。
最初はやる気満々で隅々まで遊び尽くそうとするけど、段々と面倒になって、あーもうとにかくクリアーだけすれば良いや、となるのがいつもの俺のパターンだけど、これは最後まで熱が冷めなかった。

サイコブレイクの特徴は、とにかくアイテムのやり繰りが必須なことが挙げられる。
敵は強く、弾薬は常に足りない。銃を乱射してゴリ押すという事は不可能。無駄撃ちしないことは勿論だが、相性や環境を考えて効率的に動いたり、時には敵を攻撃せず回避したりと、エイムのテクニックだけでなく、あらゆる側面から考えて攻略する必要がある。
こうしたサイコブレイクのゲーム性が、マップが広くなって自由度が増したことで大幅にパワーアップ。
まず、探索がめちゃくちゃ楽しい。他のゲームと比べて、もっとアイテムをくれ、もっと強い装備をくれ、という欲求が非常に大きいゲームなため、装備も弾薬も足りない→探す→手持ちを強化→楽になるというサイクルがとても面白い。
チマチマとした強化ばかりでなく、中盤から使えるショットガンがいきなり手に入ったりなど、かなり大きな動きもあるから油断ならない。
寄り道がただの自己満足でしかないゲームは多いが、これはちゃんと攻略に繋がっていて、探索という行動に大きく報いてくれるから本当に寄り道が面白い。

しかし、回り道をするということは、敵と対峙する機会も増えるということでもある。
サバイバルの基本は、駆け引きだ。何かを手に入れるためには、リスクを負わなければならない。ただでさえ手持ちが足りない中でアイテムを捻出しながら寄り道するか。さっさとクリアー目標に行くか。
自由度が増したことで、そうした選択もプレイヤーに求められる。単に探索が楽しいだけでなく、計画的に動くというサバイバルの駆け引きも高めていて、ゲーム体験は非常に濃い。

ストーリーは普通。娘のために戦うという誰もが共感できる分かりやすい構図なので、前よりは入り込みやすい。DLCありきの結末じゃなくちゃんと完結するし。
一方、ホラーは殆どない。前作はホラーゲームとして鳴り物入りで発売されて、ゲームの意識もそっちに向いていたけど、今作は怖がらせるというよりは狂った世界を見せるという事に重きを置いている。
前回はバイオの産みの親である三上氏が作るという話題性からか無理矢理ホラーにしようとしていたけど、もともとサイコブレイクの世界観は精神世界が根底にあるから、2の方が正しい方向性だと思う。

いやー、大満足。三上氏がディレクターから降りて、しかもオープンワールドまがいの要素を採用すると聞いた時は、サバイバルゲームとしてどうなるかと思ったけど、前作よりも遥かにレベルアップしている。
サバイバルアドベンチャーというジャンルは、アイテムのやり繰りを促すために緻密なゲームバランスが必須で、そのため作り手がプレイヤーをコントロールしやすいようにリニアな構造にすることが多いが、サイコブレイク2はその壁を突破することに成功している。
常に油断ならない戦局を作りながら、攻略に幅を持たせて、プレイヤー自身で道を築けるゲームバランスは素晴らしいとしか言いようがない。
ちなみにこのゲーム、開発は日本のスタジオだが、販売元は海外の会社で、ディレクターも外人が務めている。とにかく調整したがる日本のゲームと、とにかく自由に遊ばせたがる海外のゲームの特性が見事に融合し、サバイバルゲームとして最高に面白かった。
ボス戦が単調なのが玉に瑕。