相変わらず



今年、というか昨年も間に合わなかったので、投稿時間を弄って昨年更新したことにする。
ついでに、サムネイルが5位のゲームというのも締まりがないので、適当にFF15の画像を貼っておく。

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2016年は、FF15が発売された年。
ことあるごとに、ヴェルサスヴェルサスと言い続けてきたけど、それも今年で最後か。結局、FF15とヴェルサスは全くの別物で、ヴェルサスは幻想のまま終わったわけだけど。
FFは俺のソウルゲームであり、特にヴェルサスもといFF15は、このブログの初期の頃からずっと待ち続けていた。
FF15の発売日が決まった時はついに来たかと歓喜したが、同時に、FF15が消化されてしまったら、俺はゲームに対する熱が失われてしまうのではないかとも思ったりした。
FF15をやるためだけに、ゲームを遊び続け、ゲームに対する熱を持ち続け、ゲームオタクであり続けたのではないかと思ったりもした。
でもそんなのは全くの気のせいで、FF15が終わったあともいつものように大鷲のトリコや龍が如く6を買い、クリアーした。今では来年出るバイオ7やヒットマン、ホライゾン、ゼルダの伝説、スケイルバウンド、いつ出るか分からないFF7リメイク、そしてFF16に思いを馳せている。
相変わらず俺は、ゲームが好きなままだった。


・今年、面白かったゲームベスト5

5位:幻影異聞録♯FE(任天堂/アトラス)

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リトライ上等の難易度、テンポの良いバトルシステム、手応えがある成長要素。3つが噛み合い、トライ&エラーがとても楽しいRPGに仕上がっている。ストーリーはショボいし、冒険もないが、バトルと育成が最高級に面白い。
ファイアーエムブレムと女神転生のコラボ作品でありながらそれぞれの要素が目に見えて現れているわけではないが、ちゃんと2作品の精神は受け継いでいる。幻影異聞録は、実に手強いゲームだった。


4位:テイルズオブベルセリア(バンダイナムコ)

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リベンジストーリーを描いた快作。
復讐は何も生まない、復讐して殺された人が喜ぶのか、などという安易な理論にこのストーリーは帰結しない。
復讐という形ではあるが、それが主人公にとって前に進むということであり、それが主人公の生き様であり、それが信念を持って生きることだ、という強いメッセージに繋げているのはセンスオブワンダー。
最後の最後まで、敵を単純な悪とせず、主人公を単純なヒーローとして描かなかったことで、安易な勧善懲悪ではなく、何かを犠牲にしても譲れない信念を語るストーリーになっていて、本当に熱かった。


3位:ダークソウル3(フロムソフトウェア)

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王道でマンネリで研ぎ澄まされたダークソウル。
目新しさはないけど、ダークソウルはダークソウルというだけで最高に面白いから問題はない。これで最後なのが残念。


2位:ファイナルファンタジー15(スクウェア・エニックス)

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FFは、ストーリーのゲームである。キャラクターにはそれぞれ人生と人格が与えられ、プレイヤーの選択ではなく、キャラの意志によって物語が動く。毎回世界観とゲームシステムを一新しているFFだが、常に変わらず根幹にあるのはキャラ主導のストーリー性だ。
俺がFFに惹かれている理由はいくつもあるが、大きな理由の一つがこのストーリー性。FFの話はプレイヤー主観ではないため押し付けがましいが、ドラマチックだ。キャラに寄り添い、共に困難を乗り越え、ドラマの大団円を迎える、あの感覚が俺は好きだ。
しかし、FF15が目指したのはプレイヤーが主人公になれる主観体験型ゲームだった。オープンワールドの自由度とシームレス、取って付けたような選択肢、エンディングの写真選択など、プレイヤー自身の選択と体験を重視し、このゲームをどう感じ取るかはユーザー次第という作りを強く押し出した。成る程、実に今どきの大作ゲームだ。
FFというゲームは元来作り手の主張が非常に強く、これはこういうゲームだからこう遊んで欲しい、という一方的な想いが全面に出ていたが、今作は180度性格が変わっていた。
しかし問題なのは、FF15がヴェルサスを引き継いだゲームであること。主人公は王子様で、帝国に追われて、壮絶なラストを迎える。要するにヴェルサスは、登場人物に人生が与えられ、キャラが物語を引っ張る、いつものFFだ。
なのにプレイヤーを主観に置くことを核にしたゲームデザインを取り入れてしまったせいで、ものすごくチグハグなゲームになってしまった。
ストーリーとプレイヤーの歩みは全くシンクロせず、キャラに感情移入しにくく、描写も足りず薄っぺらい。終盤にヴェルサスとしての体裁を取り繕うかのように急激な一本道になるが、それでもストーリーを語るには明らかにボリュームが足りていない。
とにかくオープンワールド、引いては海外のAAAタイトルに負けないゲームを作るということばかりに注意がいき、ヴェルサスとの整合性を合わせる努力は一切していない。明らかに野村チームのあとを引き継いだ田畑チームはストーリーを軽視している。ヴェルサスのストーリーと世界観を楽しみにしていた俺としては非常にガッカリさせられる内容だと言わざるをえなかった。
しかし、FFはストーリーだけのゲームではない。俺が最もFFを愛する理由は、大作でありながら、普通という枠組みに収らない、新しく、尖ったものを見せてくれるチャレンジスピリッツにある。
FF15には期待を裏切られた。しかし同時に、心を動かされた。何故なら、無難じゃないから。安易な道に逃げていないから。このゲームにしかない感動があるから。
FF15の最大の魅力は、仲間との旅だ。生きたように動く仲間のAI。軽妙な掛け合い。チームワークが伝わる戦闘のモーション。団欒を演出するキャンプや車。旅の足跡を振り返る写真システム。釣りや料理の異様な作り込み。男のむさ苦しい友情に特化した野郎4人組パーティ。
FF15は、確かにチグハグで中途半端なゲームだ。しかし、仲間の友情と絆、旅の臨場感という部分に関しては、完璧に芯が通っている。徹底的に作り込まれている。このゲームにしかない、スペシャルな体験がたくさん詰め込まれている。仲間との旅が、本当に楽しかった。最後のキャンプの場面は、感情が動いた。
だから俺はこのゲームが気に入らないが、愛せる。FF15は、紛れもなく15番目のFFだ。


1位:ペルソナ5(アトラス)

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ペルソナとして出来る事を完璧に実践し、進化させ、掘り下げている。
手強いダンジョン。中毒性のある育成。テンポの良いバトル。オシャレなUI。引き込まれるストーリー。常軌を逸する超ボリューム。そしてシリーズの要であるタイムスケジュールは、駆け引きを高め、体験に個性を生み出している。
ペルソナ5は、思考と実験と積み重ねが求められるやりごたえのあるRPGであり、自分だけの思い出を作れる優れたロールプレイングシミュレーターでもあった。傑作。


・今年、面白かった映画ベスト3

3位:ファンタスティックビーストと魔法使いの旅(デヴィッド・イェーツ監督)

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ハリーポッターの世界観の新作。
本家は主人公が成長するにつれダークファンタジーの側面が濃くなっていたけど、今作は久しぶりに魔法の世界を気楽に楽しめる内容だったな。
主人公は交代し、何も魔法の事を知らなかった幼い少年から、人間としても知識としても割と完成された大人の魔法使いに引き継がれたが、冴えないマグル(魔法能力を持たない人間)のおっさんをメインキャラに置くことで、魔法や魔法生物の驚きと感動を共有しやすくしている。
今まであまり描かれなかった、マグルと魔法使いの絡みも新鮮で良い。流石JKローリングが原作なだけあってキャラに魅力がある。
後半からのダークな展開もスケールと迫力があって面白い。バランスの取れた良作。


2位:何者(三浦大輔監督)

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痛いことばかりして、カッコ悪いことばかりして、大嫌いだったあいつが、実は本当になりたかった自分だったという切なさ。
特別な人間でありたい。混じり気のない自分でありたい。自分のアイデンティティと直結したやりたい事だってある。
なのに、どうしても、なりたかった者に向かって突き進む事ができない。頑張ることができない。しんどいから。カッコ悪いから。恥をかくのが嫌だから。痛いから。
上辺だけのプライドと、自信の欠落が前に進む事を邪魔する。ちっぽけな自尊心を守るために、クールを装って、達観して、周りを馬鹿にして、カッコ悪い事から逃げ続ける。頑張ってた事なんて、単なる学生時代の趣味活動だよと嘘ぶく。でも本当は、それが自分がなりたかったものなのに。
自分の弱さと向き合って、実践しなければ、どこにも行けない。何者にもなれない。
何かになるためには、とてつもない痛みが伴うことを、物凄く残酷にこの映画は突き付けてくる。


1位:シン・ゴジラ(庵野秀明監督)

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まごうことなき、日本のゴジラ。
映像だけ見ていると、エヴァの使徒やナウシカの巨神兵と姿が重なり、これゴジラじゃなくても良くね?と思ってしまうが、テーマ性自体は全くブレていない。ゴジラを通して、現代社会の問題や情勢を浮き彫りにするという姿勢は今まで以上に強い意図を感じる。
3.11のしこり、原子力の問題、日本とアメリカの関係、自衛隊と集団的自衛権、強制的なグローバリズム。日本を取り巻く様々な問題を、押し付けることなく、説教臭くなることもなく、エンターテイメントとして楽しませながら、自然な流れとして観る者に訴えかけ、それぞれに考えさせる場として作っている。これぞゴジラのなせる技だ。
ゴジラへの対処の仕方も実に日本的。ハリウッド映画なら一人の超人的な英雄が強いリーダーシップを発揮して何とかしそうだが、この映画には特別な人間は誰もいない。一人一人が自分の出来る範囲で行動する、普通の人間として描かれている。
官僚はコツコツと計画を作り、政治家は根回しに走り、自衛隊は計画を実行する。個人では決定力がないが、集団になると力を発揮する帰属意識の強い日本人の気質を描いた、実に日本という国らしい粘り強い戦いを見せてくれる。
しかし、単なるリアリティショーでは終わらない。主人公は選択を求められる。自分たちの力だけでゴジラを倒すという理想か、他国の核の力を借りてゴジラを倒す現実か。
終盤までは徹底的にリアルなシミュレーションとして話を進めているが、最後はご都合主義的な理想を求めたドラマになる。だけど、これで良い。ゴジラは道徳や社会の教科書ではないのだから。ゴジラは、あくまでもエンターテイメントでなければならない。
ここまでのスケールと、リアリティで、日本という国を描き、問題を提起し、しかもそれをエンターテイメントとして見せてしまう。これが出来るのはゴジラだけだろう。日本のゴジラが、帰って来た。


・Yata of the year

3位:シン・ゴジラ(庵野秀明監督)

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これぞ日本のゴジラ。


2位:斉木楠雄の災難(麻生周一)

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魅力的なキャラ。何でもありな設定。最高の演技。不快感のないギャグ。キレまくりのツッコミ。優しさのあるストーリー。
俺のツボにミラクルフィット。ずっとこの世界に浸っていたい。


1位:ファイナルファンタジー15(スクウェア・エニックス)

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Yata of the yearは、最も俺の心を夢中にしたもの。FF15のことばかり考えてた1年だった。これ以外はあり得ない。
蓋を開けてみれば凸凹だらけの道だったが、4人で共に歩んだ旅路を振り返れば、それはとても輝いて見えた。
改めて、FFは特別なゲームであると感じた。


ではでは、また来年。