WIIUのスターフォックス



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WIIUのフライトアクションゲーム。開発は任天堂とプラチナゲームズ。

スターフォックスと言えば、死角を気にせずに、攻撃をかわす、当てる、という事に集中できるスクロールモードと、縦横無尽に空間を飛び回れて解放感のあるオールレンジモードの二種類が混じりあい、多様な遊び方ができるシリーズだが、今回はその点がパワーアップ。戦車や偵察機、更にマシンの変形と、バラエティ豊かな要素が組み込まれ、次々と新しい遊びが来るからクリアーまで一気だった。
最初は戦闘機以外いらねぇよとも思っていたが、どれも動きにクセがあって使いこなすのが楽しく、マップも機体に合わせた作りになっているからマシンの個性が存分に活かされている。
特筆すべきは戦闘機を変形することでトコトコ歩けるようになるウォーカー。見た目のインパクトも大きいが、小回りが利くこの形態のおかげでステージやギミックの幅がかなり広がっている。戦闘機で敵の猛攻をかい潜って戦艦に近付き、ウォーカーに変形して潜入し、中から破壊するというシームレスな流れは痺れた。
戦闘においても、小回りが効いて着地できるウォーカーと、スピードがあって自由に飛び回れる戦闘機の特性を考えて、柔軟に変形しながら戦う事が求められるバランス調整がされていて面白い。今までの狙って撃ってかわしてという流れとはまた違った戦術性が生まれており、アクションゲームとしてかなり良く出来ていた。

演出も良い。相変わらずキャラが敵味方問わず良く喋るし、この手のジャンルの王道的な展開がいっぱい詰め込まれていて、場を盛り上げてくれる。
ここぞというタイミングで助けに来る仲間。主人公に執念を燃やすライバル。炎上する戦艦からの脱出。導いてくれる父親の亡霊。そして最後の選択肢。映像はショボいが、そんな事は関係ないと思い知らされる。とにかく演出が熱く、全編に渡って手に汗握る展開だった。

ボリュームは短い。一周で5時間くらい。しかし、一周目の段階では俺は6割のステージしか解放できなかった。一つのステージに仕掛けがたくさん仕込まれおり、解き方によって違うルートや新しい惑星を発見できたり、違った遊び方でのミッションが追加されたりして、かなりやり込みがいはある。
でも、難易度が固定なんだよな。高難易度モードがあったら二周目やっても良いかなと思ったけど。

タブレットコントローラーの扱いは、一長一短。とりあえず、ジャイロで狙いを定める操作は凄く快適で良い。操縦桿を握っているような感覚があってゲームとの一体感もある。
しかし、たまに精密に射撃を求められる時があり、その場合、コクピット視点であるタブレットの画面に目を移さなければならないのだが、これが煩わしい。その間も戦闘機は普通にテレビ画面の方で動いており、当然の如く敵は攻撃して来るのだが、二つの画面を確認しながらの操作はどうしても一瞬目を切らないといけないし無理がある。
しかも自然な流れで二画面を使わせてるならまだしも、強制的に画面固定したり、ロックオンでは攻撃が届かなかったり、演出が入っている間もゲームが止まらなかったりと、無理やりタブコンを使わせようとしてくるから押し付けがましい。確かに臨場感に役立っている部分もあるが、基本的にイライラばかりが募る。
しかし、タブコンの使わせ方よりもイライラするのは、やたらと滑ることなんだよな。特にウォーカーの場面で目立つが、ちょっとでも足場をズレたら滑って落下するのが本当にイライラする。そのくせ足場は狭いし。テクスチャの粗いゲームにありがちな粘着力のなさで、おかげで外装は硬いけどハッキングで瞬殺できる敵のギミックとか完全に死んでるもんな。

かなり歯応えのあるゲームだった。ゲームバランスもそうだが、操作性に癖はあるし、変形やギミックも使い所が分かりにくい。それ故に、効率の良い戦い方を自分で発見する楽しさがあり、また、プレイヤースキルが上達していく実感がダイレクトに伝わってきて面白かった。
タブコンの使わせ方は押し付けがましいけど、このゲームの拘りではある。タブコンを見たら、コクピットの画面に見立てたら面白いんじゃね!?ってなるよね、どうしても。俺もそうしたら面白くなるんじゃね、って思ったし。実際、戦闘機を操っている感は少なからずある。が、アクションゲームとしては煩わしいの一言。
リアリティとユーザービリティのバランス取りは難しいね。