いっぱい映画見た
・バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生
衝撃的なストーリーのショボさ。VSものなのである程度強引に話を展開せざるを得ないのは分かるが、それにしてもこれはあんまり過ぎる。
っていうか何でバットマン普通に人殺してんだよ!そこが一番ガッカリだよ!バットマンが人を殺さないのは単なるキャラ付けの一つとかそんな薄っぺらいものじゃないから!
バットマンは異常なまでの正義フェチだ。何しろ彼は他のヒーローと違って特殊能力を持っている訳ではない。単なるコウモリのコスプレをした普通のオッサンであり、ヒーローになるべくして生まれた存在ではないのだ。にも関わらずヒーロー活動に拘るのは、自分が生まれ育ったゴッサムシティを愛しているからなのだが、言い換えるとそれは行き過ぎた自己満足でもある。人道を踏み外し、自分の存在がより強大な悪を引き寄せると分かっていても、ヒーローごっこをやめられない正義パラノイア、それがバットマンの姿だ。
で、バットマン自身もそれは分かっているんだよな。たとえヒーロー活動だとしても独りよがりな正義は悪と何も変わらない。それをちゃんと分かっている。だから、決定的な線引きをする為に彼が鉄の掟として自分に定めたのが、人を殺さない、という信条であるわけだ。これを守る事で、バットマンは自分の活動は正義の心から来るものであると信じ込もうとしているわけだ。
人を殺さないという信条は、正義についての葛藤の現れであり、そしてそれはバットマンが単なる普通のオッサンに過ぎないという人間味であり、リアリティだ。だから人を殺したらそいつはもうバットマンじゃないんだよ!バットマンは無闇に銃やバズーカを乱射しちゃダメなんだよ!
と、言うわけでストーリーにしてもキャラ造形にしても残念極まりないが、アクションは凄かった。最後のシーンとか凄すぎて度肝を抜かれた。ハッタリ利かせすぎだけど、あそこまでやられるとただただ凄いとしか言いようがない。
あと、アクションだとバットマンが普通の人間で良かった。ちゃんと人間対超人の戦いをしていた。
・ドラえもん 新 のび太の日本誕生
普通。設定が違うだけでいつもの映画ドラえもん。まぁリメイクだから当然なんだけど、こうして見ると昔のドラえもんの方がテンプレート色が強いな。安定して面白いから別に良いんだけどね。新ドラのオリジナル映画はひみつ道具ミュージアムを除いてロクなやつがないし。
・クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃
いつもの勧善懲悪ストーリーじゃなかった。今回はいわゆる悪役が存在しない。友達の内面に巣食う闇と戦うという話で、友情と家族愛を丁寧に描いていて面白かった。
夢を題材にしているだけあって、希望に満ちた子供の純粋さと現実的な大人の切なさをさり気なく描写しているのも良い。
子供向けにならず、かと言って大人に媚びすぎず、バランスの取れた良作。最近のクレしん映画は安定しているなー。
・名探偵コナン 純黒のナイトメア
た、たまらん。ジン兄貴フェチの俺には堪らなさ過ぎるぞこの映画。あんまり映し過ぎるとボロが出て威厳が薄れるから最近は出番が少なくなっていたジンの兄貴が、今作では今までの鬱憤を晴らすかのように躍動しまくる。
兄貴、疑わしきは罰するって言ってたのにそいつは放置するんすか!兄貴、そのボタンは何回カチカチしてももう起動しないっす!兄貴、見つからないようにする為に爆弾仕掛けたのに失敗するとみるやいきなりマシンガンぶっ放すとかロック過ぎです!
もうすることなすこと全て空回りしているのに本人は至って満足気で、いつでも自信満々な姿勢を崩さない彼の姿は僕らに勇気を与えてくれる。兄貴はいつまでもこのままでいて欲しい。
それにしても、今作のテーマはダブルフェイスということもあって、キール・バーボン・赤井と管理がガバガバな組織に潜入しているスパイ・元スパイが勢揃いするのだけど、出だしから実は他にもスパイがいたという衝撃的な事実が明かされるのだが、そのリストがあまりにも膨大で爆笑した。一体何百人に潜入されてんだよw
映画的には、アクションがいつも以上に凄まじいが、ストーリーはいつも通りショボい。前回よりはマシだけど、黒の組織を出してるにも関わらず生温い展開で白ける。
つうかあんだけ組織のNo.2であるラムが出る出る言ってたのに、出て来たのはラムの部下て。肩透かしにも程がある。確かにラムの台詞はあったけど、どうでも良い言葉しか言ってないし、変声器使ってるし、これで満足しろと言われても厳しい。舐めてるね。
・ちはやふる
競技かるたに懸ける高校生を映し出した青春映画。
原作の漫画は知らないが、これはとても良い。競技カルタに青春を捧げる高校生のひたむきな姿。かるたが繋ぐ友の絆。何よりも、かるたが大好きだという、強い愛情。競技かるたという、そこまでメジャーでないスポーツを題材にしているからテンプレートでなく新鮮に感じられる、というのは確かにあるが、それを除いてもこの熱量は凄いものがある。
しかもこの映画は、かるたを続けている根底に、その競技への強い愛情があるのが良い。挫折や葛藤を綺麗に描いているスポ根ものは数知れずあるが、競技に対する愛まで深く描写出来ている作品は少ない。しかし、好きだという情熱は、何をも超越する原動力だ。愛があるから苦しくても続ける事ができる。だから、ひたむきな姿に真実味が宿っている。
かるたの競技シーンも凄い。静と動のメリハリがたっぷり効いた競技なだけあって、映像的に凄く映えているし、想いも強く伝わって来る。とても迫力があった。
・ズートピア
肉食も草食も関係なく動物たちが手を取り合って暮らすようになった世界。まだ偏見は根強いが、ウサギのジュディは立派な警察官を夢見て頑張っていた。
うん、実にディズニーらしい上手い設定だ。生まれや国籍は関係ない。頑張れば夢は叶う。人はみな平等であるべきだ。という普遍的なメッセージを、動物という誰もが知っている身近な存在を使って、分かりやすく、しかし生々しくならないように、伝えている。映像もユニークで、動物の個性を活かした街の作りやアクションが面白いし、巨大なシロクマが小さなハリネズミの部下だったり、トラに囲まれている真ん中でガゼルが踊っていたりと、自然界の序列を無視した面白い絵がたくさんあってとても楽しい世界だ。テーマ性を含みつつユニークな映像を生み出す設定の妙は流石ディズニーと言ったところ。
しかし、何だろう、終始感じるこのモヤモヤ感は。これがメッセージだよ、というのは伝わってくるが、全然響いて来ない。とりあえず、ストーリーが恐ろしく表面的。苦労や葛藤や挫折は確かにあるけど、この部分が凄く押し付けがましく見える。
例えば、配属初日から大きな仕事を高望みし、意中の役割を任せて貰えないからってふて腐れる。全国民が注目する記者会見で平気で差別的な発言をする。自分のせいでズートピアの差別思想が蔓延ったのに何もしようとせず故郷に逃げ帰る。などなど、基本的に主人公が世間知らず&思慮が浅いだけなのに、ウサギだから皆に差別されているぞ!差別はいけないよやめようよ!という所に問題を差し替えているのが本当に気持ち悪い。自分は悪くない。世の中が悪いんだ!と言わんばかりの余りにも自己本位的なストーリー。
しかも立ち直るキッカケが努力や諦めない心や相棒との絆ではなく、逃げ帰った田舎の畑で偶々見つけた花て。そうだよね。ディズニーマジックが何でも叶えてくれるもんね。
極め付けは、ウサギよりもよっぽど苦労して努力している健気なキャラクターに対して一身に悪を押し付ける無慈悲っぷり。生まれは関係ないとか、努力すれば夢は叶うとか言っておきながら、本当の差別主義者はディズニー自身なんじゃないかと思えるほど傲慢なストーリー展開だ。
まぁ元々ディズニー映画はストーリーの奥底に傲慢なドス黒さが渦巻いているものが多く、今まではそこを夢爛漫のファンタジーで誤魔化していたが、今回は現代社会的な性質のあるストーリーになった事もあって一気に表立っていた。なのに全く内省していないあたり、ディズニーの傲慢さは本質的なものなのだろう。
ある意味で、とてもディズニーらしい映画ではある。
・シビルウォー キャプテンアメリカ
あら、意外と綺麗なストーリーだな。キャプテンアメリカの映画とされているが実質アイアンマンvsキャプテンアメリカのアベンジャーズ紛争で、どうせ戯れた程度の戦いになるか、とんでもなく筋の通らないストーリーになるかのどちらかだと思ったが、驚く事にちゃんと殺す気で戦ってるし、しかも動機に説得力があった。
まぁあのキャラにあんな事をさせるという中々にズルい手を使っているので説得力があって当然ではあるが、それだけ本気でリアリティのあるVSものを作ろうとした現れだろう。バットマンVSスーパーマンより遥かに良く練られた脚本だ。
アクションは言うまでもなく凄い。12人のマーベルヒーローが個性をぶつけ合う戦いは最高に熱い。
・アイアムアヒーロー
ゾンビ映画として出色の出来。ハリウッド映画すら超えてるんじゃないかと言うほどゾンビの迫力が凄い。動き・造形・カメラワーク・演出。全てがハイレベル。特に序盤の見せ方が面白い。そこら中でゾンビが人を襲って食っているのに、通行人は普段通りに歩いていて、段々と、あれ、これおかしいんじゃね?とパニックに包まれていく様が怖い。
そしてストーリーが異様に目を引く。何だこの居た堪れない感じは。とにかく主人公のおっさんのダメ人間っぷりがやたらとリアルで、35歳で漫画家志望なのが居た堪れないし、大した実力もないのに昔に取った小さい賞にずっと縋っているのが居た堪れないし、何にもない平凡な人間なのにショットガンを隠し持つことで自分は特別な人間なんだと妄想に生きているのが居た堪れない。
そんな中で起きたゾンビパニック。妄想が現実となり、何者にもなれなかったおっさんがこの世界で一人の女の子のヒーローになるという展開は、作者の願望とコンプレックス丸出しだが、それだけに等身大のリアリティがあった。ヒーローとなった主人公に、哀愁しか感じられない理由はそこだろう。
ストーリーもキャラクターも映像もゾンビ映画として斬新で、クオリティが高く、面白い。おいおいこれはとんでもないゾンビ映画が出てきたぞと、途中までは興奮しっぱなしだったが、終盤に息切れ。ラストのアクションが単調なんだよな。ここで山あり谷あり見せてくれたらもっと感動したのに。
しかしゾンビ好きならこれは絶対に見なきゃ損。
・バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生
衝撃的なストーリーのショボさ。VSものなのである程度強引に話を展開せざるを得ないのは分かるが、それにしてもこれはあんまり過ぎる。
っていうか何でバットマン普通に人殺してんだよ!そこが一番ガッカリだよ!バットマンが人を殺さないのは単なるキャラ付けの一つとかそんな薄っぺらいものじゃないから!
バットマンは異常なまでの正義フェチだ。何しろ彼は他のヒーローと違って特殊能力を持っている訳ではない。単なるコウモリのコスプレをした普通のオッサンであり、ヒーローになるべくして生まれた存在ではないのだ。にも関わらずヒーロー活動に拘るのは、自分が生まれ育ったゴッサムシティを愛しているからなのだが、言い換えるとそれは行き過ぎた自己満足でもある。人道を踏み外し、自分の存在がより強大な悪を引き寄せると分かっていても、ヒーローごっこをやめられない正義パラノイア、それがバットマンの姿だ。
で、バットマン自身もそれは分かっているんだよな。たとえヒーロー活動だとしても独りよがりな正義は悪と何も変わらない。それをちゃんと分かっている。だから、決定的な線引きをする為に彼が鉄の掟として自分に定めたのが、人を殺さない、という信条であるわけだ。これを守る事で、バットマンは自分の活動は正義の心から来るものであると信じ込もうとしているわけだ。
人を殺さないという信条は、正義についての葛藤の現れであり、そしてそれはバットマンが単なる普通のオッサンに過ぎないという人間味であり、リアリティだ。だから人を殺したらそいつはもうバットマンじゃないんだよ!バットマンは無闇に銃やバズーカを乱射しちゃダメなんだよ!
と、言うわけでストーリーにしてもキャラ造形にしても残念極まりないが、アクションは凄かった。最後のシーンとか凄すぎて度肝を抜かれた。ハッタリ利かせすぎだけど、あそこまでやられるとただただ凄いとしか言いようがない。
あと、アクションだとバットマンが普通の人間で良かった。ちゃんと人間対超人の戦いをしていた。
・ドラえもん 新 のび太の日本誕生
普通。設定が違うだけでいつもの映画ドラえもん。まぁリメイクだから当然なんだけど、こうして見ると昔のドラえもんの方がテンプレート色が強いな。安定して面白いから別に良いんだけどね。新ドラのオリジナル映画はひみつ道具ミュージアムを除いてロクなやつがないし。
・クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃
いつもの勧善懲悪ストーリーじゃなかった。今回はいわゆる悪役が存在しない。友達の内面に巣食う闇と戦うという話で、友情と家族愛を丁寧に描いていて面白かった。
夢を題材にしているだけあって、希望に満ちた子供の純粋さと現実的な大人の切なさをさり気なく描写しているのも良い。
子供向けにならず、かと言って大人に媚びすぎず、バランスの取れた良作。最近のクレしん映画は安定しているなー。
・名探偵コナン 純黒のナイトメア
た、たまらん。ジン兄貴フェチの俺には堪らなさ過ぎるぞこの映画。あんまり映し過ぎるとボロが出て威厳が薄れるから最近は出番が少なくなっていたジンの兄貴が、今作では今までの鬱憤を晴らすかのように躍動しまくる。
兄貴、疑わしきは罰するって言ってたのにそいつは放置するんすか!兄貴、そのボタンは何回カチカチしてももう起動しないっす!兄貴、見つからないようにする為に爆弾仕掛けたのに失敗するとみるやいきなりマシンガンぶっ放すとかロック過ぎです!
もうすることなすこと全て空回りしているのに本人は至って満足気で、いつでも自信満々な姿勢を崩さない彼の姿は僕らに勇気を与えてくれる。兄貴はいつまでもこのままでいて欲しい。
それにしても、今作のテーマはダブルフェイスということもあって、キール・バーボン・赤井と管理がガバガバな組織に潜入しているスパイ・元スパイが勢揃いするのだけど、出だしから実は他にもスパイがいたという衝撃的な事実が明かされるのだが、そのリストがあまりにも膨大で爆笑した。一体何百人に潜入されてんだよw
映画的には、アクションがいつも以上に凄まじいが、ストーリーはいつも通りショボい。前回よりはマシだけど、黒の組織を出してるにも関わらず生温い展開で白ける。
つうかあんだけ組織のNo.2であるラムが出る出る言ってたのに、出て来たのはラムの部下て。肩透かしにも程がある。確かにラムの台詞はあったけど、どうでも良い言葉しか言ってないし、変声器使ってるし、これで満足しろと言われても厳しい。舐めてるね。
・ちはやふる
競技かるたに懸ける高校生を映し出した青春映画。
原作の漫画は知らないが、これはとても良い。競技カルタに青春を捧げる高校生のひたむきな姿。かるたが繋ぐ友の絆。何よりも、かるたが大好きだという、強い愛情。競技かるたという、そこまでメジャーでないスポーツを題材にしているからテンプレートでなく新鮮に感じられる、というのは確かにあるが、それを除いてもこの熱量は凄いものがある。
しかもこの映画は、かるたを続けている根底に、その競技への強い愛情があるのが良い。挫折や葛藤を綺麗に描いているスポ根ものは数知れずあるが、競技に対する愛まで深く描写出来ている作品は少ない。しかし、好きだという情熱は、何をも超越する原動力だ。愛があるから苦しくても続ける事ができる。だから、ひたむきな姿に真実味が宿っている。
かるたの競技シーンも凄い。静と動のメリハリがたっぷり効いた競技なだけあって、映像的に凄く映えているし、想いも強く伝わって来る。とても迫力があった。
・ズートピア
肉食も草食も関係なく動物たちが手を取り合って暮らすようになった世界。まだ偏見は根強いが、ウサギのジュディは立派な警察官を夢見て頑張っていた。
うん、実にディズニーらしい上手い設定だ。生まれや国籍は関係ない。頑張れば夢は叶う。人はみな平等であるべきだ。という普遍的なメッセージを、動物という誰もが知っている身近な存在を使って、分かりやすく、しかし生々しくならないように、伝えている。映像もユニークで、動物の個性を活かした街の作りやアクションが面白いし、巨大なシロクマが小さなハリネズミの部下だったり、トラに囲まれている真ん中でガゼルが踊っていたりと、自然界の序列を無視した面白い絵がたくさんあってとても楽しい世界だ。テーマ性を含みつつユニークな映像を生み出す設定の妙は流石ディズニーと言ったところ。
しかし、何だろう、終始感じるこのモヤモヤ感は。これがメッセージだよ、というのは伝わってくるが、全然響いて来ない。とりあえず、ストーリーが恐ろしく表面的。苦労や葛藤や挫折は確かにあるけど、この部分が凄く押し付けがましく見える。
例えば、配属初日から大きな仕事を高望みし、意中の役割を任せて貰えないからってふて腐れる。全国民が注目する記者会見で平気で差別的な発言をする。自分のせいでズートピアの差別思想が蔓延ったのに何もしようとせず故郷に逃げ帰る。などなど、基本的に主人公が世間知らず&思慮が浅いだけなのに、ウサギだから皆に差別されているぞ!差別はいけないよやめようよ!という所に問題を差し替えているのが本当に気持ち悪い。自分は悪くない。世の中が悪いんだ!と言わんばかりの余りにも自己本位的なストーリー。
しかも立ち直るキッカケが努力や諦めない心や相棒との絆ではなく、逃げ帰った田舎の畑で偶々見つけた花て。そうだよね。ディズニーマジックが何でも叶えてくれるもんね。
極め付けは、ウサギよりもよっぽど苦労して努力している健気なキャラクターに対して一身に悪を押し付ける無慈悲っぷり。生まれは関係ないとか、努力すれば夢は叶うとか言っておきながら、本当の差別主義者はディズニー自身なんじゃないかと思えるほど傲慢なストーリー展開だ。
まぁ元々ディズニー映画はストーリーの奥底に傲慢なドス黒さが渦巻いているものが多く、今まではそこを夢爛漫のファンタジーで誤魔化していたが、今回は現代社会的な性質のあるストーリーになった事もあって一気に表立っていた。なのに全く内省していないあたり、ディズニーの傲慢さは本質的なものなのだろう。
ある意味で、とてもディズニーらしい映画ではある。
・シビルウォー キャプテンアメリカ
あら、意外と綺麗なストーリーだな。キャプテンアメリカの映画とされているが実質アイアンマンvsキャプテンアメリカのアベンジャーズ紛争で、どうせ戯れた程度の戦いになるか、とんでもなく筋の通らないストーリーになるかのどちらかだと思ったが、驚く事にちゃんと殺す気で戦ってるし、しかも動機に説得力があった。
まぁあのキャラにあんな事をさせるという中々にズルい手を使っているので説得力があって当然ではあるが、それだけ本気でリアリティのあるVSものを作ろうとした現れだろう。バットマンVSスーパーマンより遥かに良く練られた脚本だ。
アクションは言うまでもなく凄い。12人のマーベルヒーローが個性をぶつけ合う戦いは最高に熱い。
・アイアムアヒーロー
ゾンビ映画として出色の出来。ハリウッド映画すら超えてるんじゃないかと言うほどゾンビの迫力が凄い。動き・造形・カメラワーク・演出。全てがハイレベル。特に序盤の見せ方が面白い。そこら中でゾンビが人を襲って食っているのに、通行人は普段通りに歩いていて、段々と、あれ、これおかしいんじゃね?とパニックに包まれていく様が怖い。
そしてストーリーが異様に目を引く。何だこの居た堪れない感じは。とにかく主人公のおっさんのダメ人間っぷりがやたらとリアルで、35歳で漫画家志望なのが居た堪れないし、大した実力もないのに昔に取った小さい賞にずっと縋っているのが居た堪れないし、何にもない平凡な人間なのにショットガンを隠し持つことで自分は特別な人間なんだと妄想に生きているのが居た堪れない。
そんな中で起きたゾンビパニック。妄想が現実となり、何者にもなれなかったおっさんがこの世界で一人の女の子のヒーローになるという展開は、作者の願望とコンプレックス丸出しだが、それだけに等身大のリアリティがあった。ヒーローとなった主人公に、哀愁しか感じられない理由はそこだろう。
ストーリーもキャラクターも映像もゾンビ映画として斬新で、クオリティが高く、面白い。おいおいこれはとんでもないゾンビ映画が出てきたぞと、途中までは興奮しっぱなしだったが、終盤に息切れ。ラストのアクションが単調なんだよな。ここで山あり谷あり見せてくれたらもっと感動したのに。
しかしゾンビ好きならこれは絶対に見なきゃ損。
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せっかく映画館に来たんだから気になるのまとめて見とこうってなるだけですねー。