バイオの単なるフォロワーに収まらなかった良作ホラー







アクションアドベンチャーゲーム。開発はコナミ。HD版をプレイ。

このシリーズはバイオハザードが成功を収めるのを見てから作られたフォロワー作品であるため、ゲームの形としては旧作バイオとほぼ変わらない。しかし、怖さの性質という意味では双方大きく異なる。
例えばバイオの怖さは限られた物資の中で生き残らなければならないというサバイバル感にあった。
ゾンビは銃さえ使えば簡単に倒せるが、用意されている弾薬の数は極めてシビア。弾薬がなくなった瞬間、ゾンビはとてつもない恐怖に変わる。銃以外の唯一の武器であるナイフではほぼ太刀打ち出来ないからだ。残りの弾薬数が常に頭を離れることのないこのゲームは、常にゾンビの恐怖がつきまとうことになる。そこがバイオの怖さだった。

対してサイレントヒルも銃さえ使えば簡単にクリーチャーを倒せるが、大鉈やパイプなどの攻撃力の高い近接武器の存在や敵の攻撃に合わせてタイミング良くボタンを押せばガード出来ると言った要素があり、銃が使えなくても敵に対処することが出来る。
更に大きいのが操作性。バイオは頑なにラジコン操作と呼ばれるキャラの身体の向きを変える時に立ち止まらなければならない操作方法を貫いていたが、この操作性は慣れるまで非常に動かし難く、故にゾンビを避けるのが難しかった。だから必然的に戦闘の必要性が増し、銃の存在感が大きくなっていた。
一方のサイレントヒルはスティックの入力方向に合わせて身体の向きも変わる操作タイプが用意されているので、バイオと比べるとキャラを動かしやすいためクリーチャーを避けやすい。
戦闘の比重を重くし、銃以外の武器を極端に弱くしてサバイバル性のホラーを追求したのがバイオであるが、サイレントヒルはクリーチャーを楽に避けられるので戦闘の比重はそこまで重くないし、銃以外に武器も豊富なので弾薬のやり繰りにそれほど悩む必要もない。この部分がサイレントヒルとバイオハザードの大きな違いだ。

ではサイレントヒルの何が怖いかと言うと、音と雰囲気、そこに尽きる。
数歩先が見えない霧で覆われた街。迷宮。監獄。バイオは明るい色彩の場所が多かったが、サイレントヒルは全体的に薄暗くてジメジメベタベタしていてもう気味が悪い。そこにいること自体が恐ろしいと感じてしまう。特に薄暗い病院は歩いてるだけで心が死にそうになる。
暗闇の漆黒加減や舞台の作り込みはPS2とは思えないほどのクオリティだし、行き止まりや開かない扉が多くて、「先へ進めるか!?」と、少し希望の見えたプレイヤーを絶望に突き落としてくれるのも嫌らしくて素晴らしい。
何より敵が近付いた時に鳴るラジオの雑音がとても不快で精神を削ってくる。何かいるんじゃないかと思わせる音が至る所から聞こえてくるのでヘッドホンを付けて遊んでいると心が病んでくる。

バイオハザードのフォロワーとして作られた作品ながら、全く性質の違ったホラーを提供してくれる良作ホラーアドベンチャー。単なる追随で終わらず独自の路線でやってきたからこそ、ここまで長い間シリーズが続いたのだろうな。
ただHD版は、アップデートしてもたまに音飛びやフリーズがあるので萎える。