バットマンファンも、ゲーム好きも、皆満足の傑作キャラゲー






PS3とXbox360で出てるアクションゲーム。開発はrocksteady。

あー、これはバットマンだわ。もうね、やってることが完全にバットマン。
バットマンと言えば、プレイボーイのボンボンがコウモリのようなデビルのような良く分からないコスプレをして、罪なき市民の為にとか言いながら夜な夜な悪党をボコっているヒーローのことなのだが、
絶対に人を殺さないことを信条としているせいで悪党は生き延び続け、悪党をアーカムアサイラム(精神病院)に入獄させても結局脱獄されてまた悪事を働かれ、結果的に彼の自己満足のせいで市民は被害を被り続けるという、
要するにバットマンは市民の平和の為にというより、ただ自分の自己満足の為に戦い続けているだけの正義フェチなのだが、このゲームはそんな正義フェチのバットマンを完璧なまでに再現している。

まず、バットマンのアイデンティティとも言える人を殺さない信条は当然このゲームでも守られている。
バットマンは異常に近接戦闘が強い。銃や刃物などの殺傷力がある武器を使えないバットマンにとって、頼れるのは己の肉体のみだからだ。そのため極限まで身体を鍛えあげている。近接戦闘なら例え数十人に囲まれても打ちのめしてしまう。
それはゲームでも同じ。とにかくボタンを連打しているだけで悪党が打ち倒されていく。この時のバットマンの動きがまるで映画のようにアクロバットで何とカッコ良いことか。
別に高度なテクニックなど必要なくて、プレイヤーはただ適当にボタンを押すだけ。たったそれだけでバットマンはスタイリッシュに動いてくれる。本当に映画ばりのカッコ良いアクションで、これには感動してしまった。
簡単操作でカッコ良いアクションとはアクションゲームの理想のようなもので、このゲームは見事にそれをやってのけている。

でも、異常に格闘能力があること以外はバットマンは本当に普通の人間なんだよね。だから銃なんて物騒な物を使われたらあっさり殺られてしまう。これがヒーローでありながらもただのおじさんに過ぎないというリアリズムであり、バットマンらしさなのね。だから必然的に銃を持っている相手が彷徨いてる時はステルスプレイを要求される。様々なルートや能力やガジェットが用意されており、ステルスの出来自体はかなり良い。

完璧に再現されているのはバットマンだけではない。ジョーカーやハーレークイン、スケアクロウなどの脇を固めるキャラも実に原作に忠実。ジョーカーは狂ってるし、ハーレークインはエロい。
圧巻はアーカムアサイラムとゴッサムシティのクオリティで、屋根の上に登って景色を眺回しているとファンなら感涙してしまうレベルである。

収集要素や謎解きなどの本編から外れた要素も豊富で、かなりやり込める。ステルスと近接戦だけを抽出したチャレンジモードというものもあり、これはかなり歯応えがある。

とにかくバットマンファンなら涙してしまうほどの出来栄えで、キャラゲーとしては最強のクオリティを誇っている。ここまでバットマンらしさを出しておきながら、上手くゲームとして落とし込めていることに感心する。にも関わらず、これの続編のアーカムシティは更に高いレベルへ昇華されているのだから凄い。
バットマンファンならマストバイ、ゲーム好きにもオススメの傑作キャラゲー。