とりあえず順位表

勝 敗 分 勝率 差
ヤ 38 24 9 .613 -
中 34 36 2 .486 8
神 34 36 1 .486 0
巨 32 38 4 .457 2
広 30 36 5 .455 0
横 25 44 6 .362 6.5

ここまで一方的な差がつくとはちょっと意外だったけど、ヤクルトが首位にいる事に関しては何ら不思議ではない。
昨年も小川体制になってからセリーグで最も勝率が高かったチームはヤクルトであり、今年は更に先発を整備した上にバレンティンが加入したのだからこの順位は必然。
今年から統一球になったことも大きい。繋ぐ野球を心掛けてきたヤクルトにとってはあまり影響がなく、逆に一発狙いの振り回すしか脳がない巨人は大幅弱体化。阪神も序盤は去年の飛ぶボールの余韻を引きずって調子を崩した。
中日は高齢化のツケが回って慌てて若い選手を使い出し、最初は勢いで勝っていたが、最近は経験のなさが祟り失速中。広島は単純に戦力が乏しく、横浜は相変わらず勝ち方が分かってない。
ヤクルトはこの一ヶ月、村中と由規の先発二本柱を欠き、川島と福地も故障でおらず、打線の要だったバレンティンが絶不調にも関わらず、交流戦が終わってからの成績は13勝5敗4分。
正直、他のチームがグダグダ過ぎる面もあるが、今年のヤクルトはとにかく粘り強い。
ヤクルトの総得点は239、総失点は241。得失点差がマイナスなのに貯金は14。一点差の試合で10勝5敗。二点差の試合では12勝1敗。
この事からも分かるが、今年のヤクルトは圧倒的な力を見せ付けて勝っているというよりは接戦を物にしている。
良く言われることだが、接戦を勝てるチームは強い。例えば、どんなチームでも打線が大量点を取ったり、先発が完璧な投球をすれば、簡単に勝つことができる。攻撃、守り、采配のうち、どれか一つの要素を満たすだけで良いんだからね。
しかし、接った試合をものにするには、ここ一番のチャンスで打てる打撃力と、小さいリードを守ることができる投手力、そしてミスをしない繊細な試合運びが必要となってくる。つまり、チーム力が問われるわけだ。故に、接戦で勝てるチームは強いと言われる。
そういう意味でも今年のヤクルトは間違いなく強い。その強さの秘訣は小川監督の手腕によるところが大きいと思う。
小川監督の采配はスマートで、とにかくブレない。そこには小細工や相手の意表を突こうなどという考えは存在せず、率直なまでにチームが勝つ為の最善の策をハッタリなく出している。だから策に溺れて自滅することもないし、選手は監督の次やることが良く分かってるから常に準備が出来ている。
相手を良い意味で意識せず、自分達の野球を徹底して貫いていること。これが小川ヤクルト最大の強みだと俺は思っている。

14年ぶりの首位ターンを経ての後半戦。
未だに俺は、優勝争いとはこの10年間無縁だったあのヤクルトが首位にいることがあまり実感として沸かない。今まで優勝を願ってはいたものの、心の底ではどうせ無理だろと諦めていた節があった。そしていざ首位という現実を見ても、何処かおとぎ話のようなボヤけた感覚になる。マジックが点灯した辺りからようやく現実味が帯びてくるんだろうか。
選手もそろそろ優勝を意識するはず。ヤクルトの主力選手の多くは優勝争いの経験がないが、二年前に阪神とCS争いをして制した経験があるから、それを活かせるはず。
とにかく後半戦も、過剰に意識せず、いつも通りの形を崩さずに野球をしてもらえたらなと。それだけは最後まで徹底して貫いて欲しい。