その発想はなかった。
ネタばれ含みまくるので注意。







“車に乗っていただけなのに爆発事故に巻き込まれ、雪山に行けば殺人が起こり、ダムに行けば決壊して洪水が起こりと、今日も順調に事件に巻き込まれるコナン君でしたとさ。”

あー、久しぶりに映画館で映画が見たいなー、と思っていたところ、俺の大好きなコナンの映画が上映したと知ったので、早速見て来た。
ついでにクレヨンしんちゃんの映画も見て来たけど、その感想はまた後ほど。

コナンの映画は、5作目の天国へのカウントダウン以降、舞台を活かしただけのアクション映画に成り下がり、サスペンス要素は年々薄まっていたのだが、
今作はもう完全に割り切ったのか、本当に只のアクション映画となっていた。もはやサスペンス要素は皆無と言って良い。
犯人の正体は全く捻りがなく、トリックらしいトリックや、どんでん返しは全くない。
いい加減に殺人事件が起こって、いい加減に推理をし、いい加減に犯人と対峙してと、サスペンス部分は適当極まりなかった。

が、普通のアクション映画として見ると中々良く出来ている。
お決まりとはいえ、コナンのスケボーアクションはカッコ良いし、スリリング。
特に、前半のダイ・ハード的な爆破アクションは、かなりクオリティが高くハラハラさせられた。

また、今作は全体的にギャグが多く、渡部陽一が声優で出てるのは知ってたが、姿と名前までそのままに出て来て、不覚にも笑ってしまった。あれは反則。
しかし、今作最大の笑いどころは間違いなく最後の展開。
ダムが決壊し、洪水が村を飲み込もうとするのだが、その洪水を止める為にコナンが取った行動が、
雪崩を発生させて洪水のコースを変えさせるという、その発想はなかったと言わざる得ない超展開で、そうこなくっちゃ!とワクワクした。
ギャグアニメでも、ファンタジーアニメでもなく、いつもは普通に事件を推理してるだけのアニメなのに、
映画になると途端にはっちゃけて、そりゃねーよと突っ込んでしまいたくなるような異次元な行動を、本人達は至って真面目にやっているのが面白いから、コナンの映画は毎回見てしまうんだよなー。
ヤケクソとも言える手法を堂々とやってのけるスタッフに拍手を送りたい。
今作は、まさか洪水vs雪崩の構図を拝ませてくれるとは。見に行ったかいがあった。

皮肉みたいになってるけど、超展開を抜きにしてもコナンの映画は面白い。
キャラが魅力的だし、サスペンスとアクションがカジュアルに両方楽しめる貴重なアニメだからね。
ただ、今作はサスペンス部分が蔑ろにされ過ぎで、あまり好きになれなかったかな。
アクションのスケールは、シリーズの中でもトップクラスに近い完成度なので、サスペンスがなくても気にならないならオススメ。

あと、キャッチコピーが、「ラスト15分、予測不能!」
で、一体何が起こるんだろうとワクワクしていたら、雪崩に巻き込まれてから助かるまでのリミットが15分ってだけで、盛大にズッコケてしまった。
確かに、それは予測不能だわ。