待ちこがれたドラゴンゲー。しかし…




09A9844C-4D09-47E1-9087-8C67ADB9003D
開発はFactor5。ドラゴンを操作するアクションゲーム。

いやーぼくはねー、このゲームを初めて見た時凄くワクワクしたわけですよ。何たってドラゴンを動かせるんですよ、ドラゴンを。
ドラゴンって凄く絵になる存在なのに、いや、だからこそかもしれないけど、ボス的なポジションしか与えられず、常に敵役として登場していたわけで、俺としては一度で良いからゲーム中のドラゴンを操ってみたかった。
だが、ドラゴンを操作出来るゲームは意外にもほとんど存在せず、半ば諦めていた頃ついに出たのがこのゲーム。いやー待ちましたよ、本当。あまりに待ち過ぎて中古が400円で売ってたから去年の暮れに買ってきた。

まず、このゲームの特徴としてモーションセンサーでの操作が挙げられる。モーションと言えばwiiのリモコンを想像するかもしれないが、PS3のコントローラにもモーションセンサーは組み込まれていて、コントローラを傾けることで操作することが出来る。例えば、右にコントローラを傾ければドラゴンは右に旋回し、コントローラを自分の身体に向けて捻るとクイックターンといった具合。
こう書くととても面倒そうに聞こえるが、事実この操作性はやりにくいし、腕は疲れるし、何より狙った通りに動いてくれなかったりと、いくつも問題がある。
だが、思い通りに動かないこのもどかしさが、あたかも本物のドラゴンを操っているかのような感覚をプレイヤーに与える。コントローラは手綱だと思えば良い。アナログスティックで機械的に動かすより味があるのでこれはこれで良い。今ならアップデートによってアナログ操作にも出来るので、さして操作性は問題にならない。だが、このゲームを本当に楽しみたいならモーションセンサーでの操作をオススメする。

ドラゴンのアクションは、体当たり、捕食、張り倒し、踏みつけ、そしてお馴染みのファイアブレス、がある。さしてアクションは豊富でもないが、ミッション中、自由にこれらの行動が出来るので、敵兵士相手に圧倒的力を誇示しながら戯れるのが楽しい。これこそがモンスター界の頂点に立つドラゴンを操作する醍醐味というもの。兵士をくわえて海に投げ入れたりして遊んでた。

問題はドラゴン同士の戦いで、ブレスの応酬が繰り広げられる空中戦はエースコンバットみたいで悪くないが、体当たりをすると始まるコンバットモードや追撃モード、これが全く楽しくない。
追撃モードは単純に指示された通りに操作するだけの作業で別に爽快感はないし、コンバットモードでは格ゲーちっくなことをやらされ、これがまた全く白熱しないチープなもので凄く萎える。ゲージを貯めると必殺技みたいなことも出来るが、QTEは分かりにくいし、アクションの演出はしょっぱいしで、全然必殺技って感じがしない。

また、映像がショボい。3年前のゲームだから仕方ないとはいえ、もう少しエフェクト部分で盛り上げて欲しい。敵の船をブレスしたら燃えるくらいの演出はしてくれ。
あと、動かしてる最中にいちいちイベントが挟まるのもウザイ。ストーリーはあってないようなものだけど、キャラの表情がぎこちなさすぎて吹いた。

このゲームをやって何故ドラゴンのゲームが少ないか何となく分かった気がした。せっかくドラゴンを題材にしたゲームなのに動かしていて楽しくないんだもんなぁ。兵士をいたぶるのは中々面白かったが。
それでもドラゴンゲーとして希少なので、ドラゴンが好きで好きで堪らないという人は買うだけの価値があるかも知れない。そんな人はもう買ってるだろうけど。