最終話です。
かなり脚色がかってるのでご容赦ください。
かなり脚色がかってるのでご容赦ください。
あらすじ
最初は単なる人探しから始まった長い旅。暴力を忌み嫌う運び屋のyataにとって、モハビの刺激は強すぎた。
旅の途中で人間の荒んだ面を嫌というほど見てきた彼は世界を変えることを決意。
イエスマンと手を結び、モハビの指導者になるべく行動を起こしてきた。
そんな中始まったリージョンとNCRの戦争。
yataは単身、フーバーダムに潜入した。
第12話 不変なもの
「さて今日も頼むぜ、ステルスボーイちゃん。」
フーバーダムに到着した俺はダムのメインコントロールシステムを掌握すべく行動を起こした。
仕事の大詰めにしては楽勝だ。NCRは現在リージョンの相手に大忙し。透明人間の俺に気を止める奴は誰もいない。
「あなたって本当に仕事が早いですねー。」
ダムのメインコントロールモニターにイエスマンのにやけ顔が映し出された。
「こんなの楽勝だ。ブーマーのテディベア探しのがまだ難しいくらいさ。」
「さて、ダムは我々の手に落ちました。NCR陥落も時間の問題。残る敵はリージョンのみです。リーダーであるリガタス・ラニウスを説得してきて下さい。」
「言われなくても分かってるさ。リージョンのリーダーに会ってこの戦争を止める。そして俺がモハビのトップに立つ。」
「ほっほほ。良い心意気です。では任せましたよ。」
イエスマンはそう言って引っ込んだ。
威勢の良いことは言ったが、どうすればリージョンを追っ払えるだろうか。
「すいませーん。戦争やめてくださーい。」と言って素直に聞くような相手ではない。
「ま、いつものようにやるだけか。」
俺はある意味開き直っていた。
リージョンの本陣はダムから少し離れた場所にある。俺はダムから外へ出た。
外は目を覆いたくなるような光景が広がっていた。
ゴミクズのように転がっている死体。中にはまだ息があるのか指がピクピク動いてるものもある。
人が人を殺しあう。ただ自分達の地位を主張したいだけの為に。
同じ人間。なのに何故自分を特別視したがるのだろうか。何故手を取り合うことが出来ないのだろうか。
互いに足りないところは補完しあえば良い。わざわざ独占する必要なんてないじゃないか。
男が泣きながら死にたくないと叫んでいる。凄い出血だ。もう助からないだろう。
彼はどのような人生を過ごしてきたのだろうか。親からたっぷり愛情を受けただろうか。恋をしただろうか。ベガスでギャンブルを楽しんだだろうか。こんな世の中だ。挫折もあっただろう。ラッドローチに襲われたこともあるだろう。
人は数え切れないほどの経験を積んで成長する。
人を見るということ。それはその人の生き様を知るということだ。
戦争を指揮している連中は部下を見ているだろうか。賭けても良いが見ていないだろう。その人の生き様を知っていたら、死ねなんて絶対に言えないはずだ。
そうだ、戦争はなくなるべきものだ。その為に俺はここに来た。
いつの間にか、リージョンの本陣の前に来ていた。俺の周りをリージョン兵が囲んでいる。ステルスボーイの効果が消えていることにも気付いてなかった。まあ、丁度良い。
「リガタス・ラニウスを呼べ。」
周りからドッと笑いが起きた。
「お前、今の状況を理解しているのか? それともブルって頭がイカれちまったか?」
「もう一度言うぞ、三等兵共。お前らのリーダー、リガタス・ラニウスを呼べ。」
今度はロック・it・ランチャーを構えて言った。
効果はてきめんだ。リージョンは尻込みしている。
「ハッハッハッ!ハッタリのつもりか? 面白い奴だな。」
奥から仮面のような兜を被った男が現れた。
「また随分と自己主張が激しいリーダーだな。その仮面はお前の趣味か?」
「これはリーダーの証だ。そんな軽口を言いにきたわけではないだろう?見たところ、お前はNCRじゃないな。何が目的だ。」
「この戦争を止めに来た。」
「ふん、お前が止めるまでもない。もうすぐこの戦争は終わる。我々の勝利でな!」
「お前らの勝利? ダムからNCRを追い出すことが勝利なのか? 随分簡単な仕事だな。」
「馬鹿め。ダムを手に入れることが、モハビでどれだけの影響を及ぼすか知りもしないで。」
「あぁ、ダムがあればモハビの頂点に立つのは容易いだろうな。残念だったな、ラニウス。今、その頂点に最も近いのはこの俺だ。」
「は、何を言いだすかと思えば…」
「そういえばハウスがどうなったか知ってるか? 今、ハウスが持っていた全てのものを俺が手にしている。このプラチナチップが証拠だ。」
プラチナチップを見やすいように掲げた。
「ダムのメインコントロールシステムにハウスのAIを繋いだ。なに簡単な仕事だったよ。君たちのおかげだ。」
「ハッハッハッ!成る程、我々はしてやれたわけか。」
「そういうわけだ、ラニウス。この戦争にはもはや何の価値も見いだせないぞ。それでもまだ続けるつもりなら、俺のセキュリトロンが黙っちゃいない。」
「良い度胸だ。ここは退いてやろう。もともと我々の目的は支配ではなく、NCRの滅亡だからな。ダムがなければ奴らは勝手に瓦解する。NCRの統治は終わった。お前の時代がどんなものか見定めさせてもらうよ。」
ラニウスが踵を返すと共に、リージョンも引き返していった。信じられないくらいスムーズに事が進んでいる。夢なのか。いや、違う。俺はモハビのトップに立ったんだ。
が、一瞬で水を差された。
「いやいやいや、お見事。リージョンを言葉で牛耳るとはね。」
突如NCRの一団が現れた。NCRの中でも特別なパワーアーマーを身に纏った超エリート部隊だ。
「私はオリバー。キンバル亡き今、NCRの最高権力者だ。」
「そうか、その最高権力者様が運び屋に何か用か?」
「ダムの一件はやられたよ。あっという間にセキュリトロンの巣窟だ。君が指導者なのは分かってる。どうだ、我々と手を結ばないか。」
「NCRに入ってこんな毎日を過ごせってか? 断る。」
「そうか。君はもう少し賢いかと思っていたが。我々と手を結べないなら死んでもらうしかないな。」
NCR兵が銃を構えた。今にも引き金を引きそうだ。
「考えを改めるつもりはないか?」
「ないね。」
「残念だ。」
NCR兵が引き金に指をかけた、その瞬間
「遅かったじゃないか、イエスマン。」
イエスマンを先頭にセキュリトロンの一団がNCRの背後を陣取った。
「久しぶりのセキュリトロンの中は良いものですねー。モニターの中は退屈ですから。」
NCRは俺とセキュリトロンの間に挟まれた格好になった。形勢は逆転だ。
「さて、何の話だったかな? Mrオリバー。」
「お、驚いたよ、君にこんな切り札があるなんて…。」
オリバーは明らかに動揺を隠せない様子だ。
「お前らの時代は終わった、オリバー。俺がモハビを変える。」
「変える?変えるだと?まさかモハビのトップになるつもりか?たかが運び屋風情が! 良いか、統治していた者として教えてやる。お前のような若造が指導者になったところで民は絶対に動かない。いつかこんなはずじゃなかったと思う時が来るさ。お前の考えている素晴らしい世界とやらは結局絵空事で終わるんだ。」
「だが、少なくとも俺はお前らのような間違った舵取りはしない。言いたいことはそれだけか?」
「良いだろう、今回は我々の負けだ。だが忘れるな、いつか必ず覇権を取り戻しに来るぞ。争いは終わらないんだ、永遠にな。」
オリバー達が去って行く姿を見ながら
「良いんですか? 今殺らないと必ずまた争いが起きますよ。」
「その時はその時でまた考えるるさ。」
こうして、yataは一日にしてモハビの指導者という立場に立った。
戦争が終わって6ヶ月…
あれから世界は様変わりした。治安は良くなるばかりか、悪くなる一方だ。
NCRの影響が薄れたことにより、ギャングが活発に活動するようになり小さな町の住民は眠れない日々を過ごしている。
ベガス内ではセキュリトロンによる秩序が崩壊。ストリップ地区もあっという間に無法者がのさぼる地区へと変貌した。セキュリトロンはyataの指示により、人を殺さないようプログラムされていた。
「どういうことだ、イエスマン! こんな、こんなはずでは…。」
「理想だけでは人は動かない。そういうことです。あなたは優しすぎた。目には目を。これがモハビの基本理念です。あなたは話し合いで全て解決できると言った。全て平和的になんて結局無理なんです。統制に多少の武力は必要不可欠です。」
「理想じゃない。俺は現に指導者になったんだ!権力を得た。世界を変える力を持っているんだ!」
トップに立てば何でも自分の思い通りになると思っていた。
暴力のない世界。それを実現する為に俺はこの数ヶ月奔走した。俺の施策は民にとって好ましくないのか? 今のままで良いと思っているのか? そんなはずはない。人が人として扱われないこの世界がこのままで良いわけがない。
「自惚れてはいけません。確かにあなたは大きな力を持っているが、人を動かせなければただの一人の人間に過ぎない。理念自体は素晴らしいですが、あなたにはカリスマ性がなかった。それが全てです。」
「カリスマ性だと?」
「あなたは一番大事なことを抜かしている。それは支持を集めることです。NCRは暴力で民を屈服させていたがあなたはどうですか? 結局やっていることはただの一人よがりです。民主主義じゃない。自分の理想を押しつけた専制政治だ。あなたは若すぎる。トップになれる器じゃなかった。何一つ世界を知らなかった。」
いつの間にか俺の周りをセキュリトロンが囲んでいた。
「これはどういう意味だイエスマン?」
「NCRがダムに進撃を始めました。あなたが指導者では勝ち目がない。私がこのモハビを救う。くだらない理想に死んでください。」
いつの時代も戦争が起こった。俺は争いのない平和な世界に変えたかっただけだ。本当はみんなもそれを望んでいるはず。なのに何故誰も分かってくれないんだ!
「現実味がないんですよ、あなたの理想は。」
そして、運び屋の旅は終わった。
新しくなったモハビ・ウエイストランドでは戦闘が続き、血が流れ、生き残る者もいれば、死ぬ者もいた。そしてそれは、旧世代と同じだった。
戦争だけは、決して変わることはないのだ。
(フォールアウト・ニューベガス 終)
というわけでプレイ日記は終わりです。最後の部分は実際のエンディング部分の引用です。
クリアータイムは25時間くらい、レベルは17。
最初はゼノブレイドみたいに第三者視点で進めていこうと思ってましたが、かなり突っ込みにくいシナリオだったので方向性を変えました。
かなり脚色は入ってますが、あくまでプレイ日記という位置付けです。
あとは、ゲームの感想を書いてフォールアウトの日記は終わり。
長い間ありがとうございました。
最初は単なる人探しから始まった長い旅。暴力を忌み嫌う運び屋のyataにとって、モハビの刺激は強すぎた。
旅の途中で人間の荒んだ面を嫌というほど見てきた彼は世界を変えることを決意。
イエスマンと手を結び、モハビの指導者になるべく行動を起こしてきた。
そんな中始まったリージョンとNCRの戦争。
yataは単身、フーバーダムに潜入した。
第12話 不変なもの
「さて今日も頼むぜ、ステルスボーイちゃん。」
フーバーダムに到着した俺はダムのメインコントロールシステムを掌握すべく行動を起こした。
仕事の大詰めにしては楽勝だ。NCRは現在リージョンの相手に大忙し。透明人間の俺に気を止める奴は誰もいない。
「あなたって本当に仕事が早いですねー。」
ダムのメインコントロールモニターにイエスマンのにやけ顔が映し出された。
「こんなの楽勝だ。ブーマーのテディベア探しのがまだ難しいくらいさ。」
「さて、ダムは我々の手に落ちました。NCR陥落も時間の問題。残る敵はリージョンのみです。リーダーであるリガタス・ラニウスを説得してきて下さい。」
「言われなくても分かってるさ。リージョンのリーダーに会ってこの戦争を止める。そして俺がモハビのトップに立つ。」
「ほっほほ。良い心意気です。では任せましたよ。」
イエスマンはそう言って引っ込んだ。
威勢の良いことは言ったが、どうすればリージョンを追っ払えるだろうか。
「すいませーん。戦争やめてくださーい。」と言って素直に聞くような相手ではない。
「ま、いつものようにやるだけか。」
俺はある意味開き直っていた。
リージョンの本陣はダムから少し離れた場所にある。俺はダムから外へ出た。
外は目を覆いたくなるような光景が広がっていた。
ゴミクズのように転がっている死体。中にはまだ息があるのか指がピクピク動いてるものもある。
人が人を殺しあう。ただ自分達の地位を主張したいだけの為に。
同じ人間。なのに何故自分を特別視したがるのだろうか。何故手を取り合うことが出来ないのだろうか。
互いに足りないところは補完しあえば良い。わざわざ独占する必要なんてないじゃないか。
男が泣きながら死にたくないと叫んでいる。凄い出血だ。もう助からないだろう。
彼はどのような人生を過ごしてきたのだろうか。親からたっぷり愛情を受けただろうか。恋をしただろうか。ベガスでギャンブルを楽しんだだろうか。こんな世の中だ。挫折もあっただろう。ラッドローチに襲われたこともあるだろう。
人は数え切れないほどの経験を積んで成長する。
人を見るということ。それはその人の生き様を知るということだ。
戦争を指揮している連中は部下を見ているだろうか。賭けても良いが見ていないだろう。その人の生き様を知っていたら、死ねなんて絶対に言えないはずだ。
そうだ、戦争はなくなるべきものだ。その為に俺はここに来た。
いつの間にか、リージョンの本陣の前に来ていた。俺の周りをリージョン兵が囲んでいる。ステルスボーイの効果が消えていることにも気付いてなかった。まあ、丁度良い。
「リガタス・ラニウスを呼べ。」
周りからドッと笑いが起きた。
「お前、今の状況を理解しているのか? それともブルって頭がイカれちまったか?」
「もう一度言うぞ、三等兵共。お前らのリーダー、リガタス・ラニウスを呼べ。」
今度はロック・it・ランチャーを構えて言った。
効果はてきめんだ。リージョンは尻込みしている。
「ハッハッハッ!ハッタリのつもりか? 面白い奴だな。」
奥から仮面のような兜を被った男が現れた。
「また随分と自己主張が激しいリーダーだな。その仮面はお前の趣味か?」
「これはリーダーの証だ。そんな軽口を言いにきたわけではないだろう?見たところ、お前はNCRじゃないな。何が目的だ。」
「この戦争を止めに来た。」
「ふん、お前が止めるまでもない。もうすぐこの戦争は終わる。我々の勝利でな!」
「お前らの勝利? ダムからNCRを追い出すことが勝利なのか? 随分簡単な仕事だな。」
「馬鹿め。ダムを手に入れることが、モハビでどれだけの影響を及ぼすか知りもしないで。」
「あぁ、ダムがあればモハビの頂点に立つのは容易いだろうな。残念だったな、ラニウス。今、その頂点に最も近いのはこの俺だ。」
「は、何を言いだすかと思えば…」
「そういえばハウスがどうなったか知ってるか? 今、ハウスが持っていた全てのものを俺が手にしている。このプラチナチップが証拠だ。」
プラチナチップを見やすいように掲げた。
「ダムのメインコントロールシステムにハウスのAIを繋いだ。なに簡単な仕事だったよ。君たちのおかげだ。」
「ハッハッハッ!成る程、我々はしてやれたわけか。」
「そういうわけだ、ラニウス。この戦争にはもはや何の価値も見いだせないぞ。それでもまだ続けるつもりなら、俺のセキュリトロンが黙っちゃいない。」
「良い度胸だ。ここは退いてやろう。もともと我々の目的は支配ではなく、NCRの滅亡だからな。ダムがなければ奴らは勝手に瓦解する。NCRの統治は終わった。お前の時代がどんなものか見定めさせてもらうよ。」
ラニウスが踵を返すと共に、リージョンも引き返していった。信じられないくらいスムーズに事が進んでいる。夢なのか。いや、違う。俺はモハビのトップに立ったんだ。
が、一瞬で水を差された。
「いやいやいや、お見事。リージョンを言葉で牛耳るとはね。」
突如NCRの一団が現れた。NCRの中でも特別なパワーアーマーを身に纏った超エリート部隊だ。
「私はオリバー。キンバル亡き今、NCRの最高権力者だ。」
「そうか、その最高権力者様が運び屋に何か用か?」
「ダムの一件はやられたよ。あっという間にセキュリトロンの巣窟だ。君が指導者なのは分かってる。どうだ、我々と手を結ばないか。」
「NCRに入ってこんな毎日を過ごせってか? 断る。」
「そうか。君はもう少し賢いかと思っていたが。我々と手を結べないなら死んでもらうしかないな。」
NCR兵が銃を構えた。今にも引き金を引きそうだ。
「考えを改めるつもりはないか?」
「ないね。」
「残念だ。」
NCR兵が引き金に指をかけた、その瞬間
「遅かったじゃないか、イエスマン。」
イエスマンを先頭にセキュリトロンの一団がNCRの背後を陣取った。
「久しぶりのセキュリトロンの中は良いものですねー。モニターの中は退屈ですから。」
NCRは俺とセキュリトロンの間に挟まれた格好になった。形勢は逆転だ。
「さて、何の話だったかな? Mrオリバー。」
「お、驚いたよ、君にこんな切り札があるなんて…。」
オリバーは明らかに動揺を隠せない様子だ。
「お前らの時代は終わった、オリバー。俺がモハビを変える。」
「変える?変えるだと?まさかモハビのトップになるつもりか?たかが運び屋風情が! 良いか、統治していた者として教えてやる。お前のような若造が指導者になったところで民は絶対に動かない。いつかこんなはずじゃなかったと思う時が来るさ。お前の考えている素晴らしい世界とやらは結局絵空事で終わるんだ。」
「だが、少なくとも俺はお前らのような間違った舵取りはしない。言いたいことはそれだけか?」
「良いだろう、今回は我々の負けだ。だが忘れるな、いつか必ず覇権を取り戻しに来るぞ。争いは終わらないんだ、永遠にな。」
オリバー達が去って行く姿を見ながら
「良いんですか? 今殺らないと必ずまた争いが起きますよ。」
「その時はその時でまた考えるるさ。」
こうして、yataは一日にしてモハビの指導者という立場に立った。
戦争が終わって6ヶ月…
あれから世界は様変わりした。治安は良くなるばかりか、悪くなる一方だ。
NCRの影響が薄れたことにより、ギャングが活発に活動するようになり小さな町の住民は眠れない日々を過ごしている。
ベガス内ではセキュリトロンによる秩序が崩壊。ストリップ地区もあっという間に無法者がのさぼる地区へと変貌した。セキュリトロンはyataの指示により、人を殺さないようプログラムされていた。
「どういうことだ、イエスマン! こんな、こんなはずでは…。」
「理想だけでは人は動かない。そういうことです。あなたは優しすぎた。目には目を。これがモハビの基本理念です。あなたは話し合いで全て解決できると言った。全て平和的になんて結局無理なんです。統制に多少の武力は必要不可欠です。」
「理想じゃない。俺は現に指導者になったんだ!権力を得た。世界を変える力を持っているんだ!」
トップに立てば何でも自分の思い通りになると思っていた。
暴力のない世界。それを実現する為に俺はこの数ヶ月奔走した。俺の施策は民にとって好ましくないのか? 今のままで良いと思っているのか? そんなはずはない。人が人として扱われないこの世界がこのままで良いわけがない。
「自惚れてはいけません。確かにあなたは大きな力を持っているが、人を動かせなければただの一人の人間に過ぎない。理念自体は素晴らしいですが、あなたにはカリスマ性がなかった。それが全てです。」
「カリスマ性だと?」
「あなたは一番大事なことを抜かしている。それは支持を集めることです。NCRは暴力で民を屈服させていたがあなたはどうですか? 結局やっていることはただの一人よがりです。民主主義じゃない。自分の理想を押しつけた専制政治だ。あなたは若すぎる。トップになれる器じゃなかった。何一つ世界を知らなかった。」
いつの間にか俺の周りをセキュリトロンが囲んでいた。
「これはどういう意味だイエスマン?」
「NCRがダムに進撃を始めました。あなたが指導者では勝ち目がない。私がこのモハビを救う。くだらない理想に死んでください。」
いつの時代も戦争が起こった。俺は争いのない平和な世界に変えたかっただけだ。本当はみんなもそれを望んでいるはず。なのに何故誰も分かってくれないんだ!
「現実味がないんですよ、あなたの理想は。」
そして、運び屋の旅は終わった。
新しくなったモハビ・ウエイストランドでは戦闘が続き、血が流れ、生き残る者もいれば、死ぬ者もいた。そしてそれは、旧世代と同じだった。
戦争だけは、決して変わることはないのだ。
(フォールアウト・ニューベガス 終)
というわけでプレイ日記は終わりです。最後の部分は実際のエンディング部分の引用です。
クリアータイムは25時間くらい、レベルは17。
最初はゼノブレイドみたいに第三者視点で進めていこうと思ってましたが、かなり突っ込みにくいシナリオだったので方向性を変えました。
かなり脚色は入ってますが、あくまでプレイ日記という位置付けです。
あとは、ゲームの感想を書いてフォールアウトの日記は終わり。
長い間ありがとうございました。
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